小論文の中でも、本論は65~80%を占めるかなり大切な部分です。
この本論の部分は絶対におろそかにできませんよね。
でも…
本論の部分は長いので、構成や書き方が分からなくなってしまう人も多いのでは?
今回は小論文の本論部分の書き方のコツ、そして構成例を紹介していきます。
具体例や体験談を適切に使うことで、自分の意見に説得力を持たせることができますよ。
ぜひ最後までご覧くださいね。
この記事は動画でも解説をしています。
ぜひ併せてご覧ください↓
小論文の本論の書き方と構成例
書き始める前に構成メモをしっかり作ろう
構成メモは、全員が必ず作ります。
構成メモを作らないと伝わりづらい構成になってしまったり、残り文字数に対してどれくらいのボリュームで述べていけばいいのか分からなくなってしまいます。
ざっくりと手順だけお話すると、
- (資料読解がある人)文章の要約・引用するフレーズをマーク
- 自分の考えを整理
- 使えるワードを箇条書きにする
- 段落に当てはめていく
- 完成!
こんな感じになっています。
構成メモの書き方はこちらで詳しく解説していますので、参考にしてくださいね。
またこちらの記事では段落分けのことについて触れています。
併せて確認してみてください。
本論を構成していく
では本題の、本論の構成のお話です。
先ほどのリンクでは全体的な構成の話をしていますが、ここでは本論の構成について詳しく説明していきます。
構成例① 理由の列挙
小論文の一番基本の書き方である、「序論と結論で自分の意見を述べる」構成で書く時によく使う方法です。
【序論】
○○には賛成/反対である
【本論】
まず第一に~
次に~
【結論】
以上の理由により、○○には賛成/反対である
こんな感じでシンプルな構造になりますね。
賛成/反対を問う小論文じゃなくてもこの構成は使えますよ。
構成例② 体験談とそれから得たこと
【序論】
リーダーに必要なのは、気配りである。
【本論】
中学校でクラス委員を任された際、私は文化祭を成功させようと意気込んでいた。しかしやる気が空回りしてしまい、自分の独裁で物事を決めてしまっていた。クラスの皆は表面上は賛成してくれていたが、実は不満が溜まっていたようだった。
このことから、リーダーシップとは身勝手に方向を決めることではないと学んだ。チーム一人一人の意見を尊重して、全員で同じ方向を向いていけるように調整していくことこそが大切なのだ。
【結論】
気配りのできないリーダーは、本心からみんながついてきてくれる存在ではない。よってリーダーに最も必要なことは気配りであると考える。
かなりざっくりしてしまいましたが、こんな構成もよく見ますね。
特にテーマが自分自身のことの場合、使いやすい構成です。
「失敗や経験からこんなことを学んだ」という書き方は採点者からの印象も良いですよ。
構成例③ 問題点と解決方法
テーマ:若者と読書
【序論】
私は読書が好きで、小学生までは本を沢山読んできた。今でも時間があれば自然と本を開いている。
【本論】
(問題点)しかし中学校に上がってから本を読む時間が減ってしまった。部活が毎日遅くまであり、学校の宿題をこなすだけで精いっぱいなのだ。本が好きな私ですらそうなのだから、読書にあまり関心がない人は感想文の課題でも出ない限り本は読まないだろう。
(解決策)部活や塾などで学生が忙しくなればなるほど若者は本を読まなくなる。ある程度自由な時間を与えることで、本に限らず自分の興味ある分野を深める活動ができるのではないだろうか。
【結論】
感想文のために本を読むことは本当の読書とは言えない。若者が自分から本を選び、楽しめるような時間のゆとりが必要だと考える。
このように自分の体験談を盛り込むと、話に深みが出ますね。
問題点と解決策を入れると、自分がどれほど深く物事について考えているのかを伝えられます。
構成例④ 自分の意見に対する反論をあえて入れる
ちょっとレベルは高いですが、自分の意見に対する反論を入れるというテクニックもありますよ。
テーマ:子供にスマートフォンを持たせることについて
【序論】
子供にスマートフォンを持たせることには賛成だ。
【本論】
(理由)インターネットには様々な情報が存在しており、本や身の回りの大人からは得られない知識も簡単に得ることができる・
(反論)しかし、インターネット依存やスマートフォンの使いすぎによる視力の低下などの問題も存在する。
(反論に対する意見)スマートフォンを使う時間などのルールを親と決めるようにすれば、これらの問題は解決される。
【結論】
スマートフォンには危険性もあるが、正しく使うことができれば子供の興味・関心や知識を飛躍的に伸ばすことができる。よって子供にスマートフォンを持たせることは賛成である。
これは文字数が多い場合や、賛否両論あるテーマで論じる時に有効です。
一見難しいかもですが、《理由→反論→反論に対する意見》とだいたい型は決まっています。
小論文に慣れてきた人は取り入れてみては?
細かい言い回しや言葉遣いに注意して書く
言い回しや言葉遣いに注意するのも、小論文を書く上で大切なことです。
細かい表現でニュアンスが変わってしまったり、間違った表現で減点されてしまう可能性もありますからね…。
小論文で絶対にマスターしておくべきなのが、「である調」。
よく使う語尾は絶対にマスターしましょう!
こういう人は、そもそも書き言葉の理解ができていないか、書き慣れていない可能性があります。
こちらの記事に対策法をまとめていますよ。
NGな本論の書き方
では次に、本論の書き方の悪い例を見て勉強していきましょう。
同じような間違いをしないようにしてくださいね!
本論の役割を理解していない
ここで、本論の役割を整理してみましょう。
- 自分の意見に説得力を持たせる(具体例・体験談など)
- 問題に対する答えを詳しく述べる
そもそもこの役割を理解していないと、小論文全体のバランスが悪くなってしまったり、下手をしたら減点対象となってしまうこともありますよ。
例えば本論の中で結論を入れてしまったり、「どの視点で論じているのか」などの前置き情報を入れてしまうのは混乱のもとです。
「序論・本論・結論」の役割を理解できていれば、後は分かりやすく段落分けしたり、説明の順番を考えていくだけです。
本来の趣旨と関係のない具体例や体験談を入れている
具体例や体験談を盛り込むこと自体は良いことなのですが…
自分の主張したいことや問題文に関係のないことを入れてしまうのはNGです。
文章が綺麗にまとまらなくなってしまい、自分の主張がうまく伝わりません。
下手したら文字数稼ぎだと思われてしまう可能性もあります!
事実と推測の区別ができない
これは文章を書き慣れていない人に多いのですが…
「事実」と「自分が予想したこと」ははっきり区別して書く必要があります。
そうしないと…
とか、
なんて思われてしまいます。
これを防ぐためには、それぞれの場合で使える表現をマスターする必要があります。
- ~である
- ~という研究結果もある
- ニュースでは~
- 事実、~
- 実際に、~
- ~と考える
- ~ではないだろうか
- ~と推測する
- ~という可能性がある
こんな感じで上手に表現を使い分けていきましょう。
具体例に説得力がない
せっかく具体例を出しても、「本当にそうかな?」とは思われないようにしたいですよね。
具体例に説得力を持たせるポイントは以下の3つ。
- 採点者も知っているようなニュースから具体例を出す
- 実際に企業や団体が行っている取り組みなどを挙げる(自分の知り合いがやっている、よりも説得力がある)
- 具体例を挙げるだけじゃなく、それがテーマ・結論とどう結びつくのかを説明する
これを守るだけで、説得力が増しますよ。
目線が途中から変わっている
小論文の文章が散らかってしまう原因としては、「誰目線で語っているのか」が途中から変わってしまうことも挙げられます。
- 消費者目線
- 生産者目線
- 子供目線
- 教育者目線
など問題によっていろいろ考えらますので、1つの目線に固定して考えるのが良いですよ。
でも、あえて目線を変えて論じたいときもありますよね。
そういう時は、
○○の立場から考えると~
一方で△△の立場では~
と、どの目線で語るのかの前置きをしておきましょう。
ただ体験談を述べるだけになっている
テーマに合致した体験談を盛り込んでも、
と思われてはダメです。
体験談も具体例も、上手に結論に結びけないといけないのです。
体験談や具体例は自分の意見に説得力を持たせるためのもの。
ただ入れるだけではなく、しっかり役割を意識しましょうね。
小論文の本論は、具体例と体験談を適切に盛り込むのがポイント。
- 構成メモは必ず作ろう
- 構成メモをもとに、よくある本論の構成例に落とし込んでいこう
- 言葉遣いなどの細かい部分で与える印象が変わってしまう
- 具体例と体験談は適切に利用しよう
今回は小論文の本論部分について解説をして行きました。
具体例と体験談を入れるのは素晴らしいのですが、使い方に注意する必要があります。
ただの文字数稼ぎと思われないように、話の展開と構成を練っていきましょう。
小論文の書き方の全体像はこちら。
他にもたくさんのポイントをまとめています。