皆さんは小論文の構成って、どのように決めていますか?
なかには構成メモを書かずに書き出してしまう人もいるかもしれませんが…これは絶対にNGです!
今回は小論文の構成メモの書き方を細かく解説していきます。
書き方をしっかりマスターして、苦手を克服しましょう!
この記事は動画でも解説しています↓
小論文は構成メモが90%!書き方を徹底解説
私がおすすめする小論文の構成メモの書き方は、以下の通りです。
- (資料読解がある人)文章の要約・引用するフレーズをマーク
- 自分の考えを整理
- 使えるワードを箇条書きにする【大事!】
- 段落に当てはめていく
- 完成!
実はこれ、一般的に言われている小論文の書き方ルールとは少しだけ異なっているんです。
一般的には「序論」→「本論」→「結論」の構成で大まかな流れをざっくり作って、細かい言い回しは清書の段階で考えていくのですが…
私の場合、先に使いたい表現を決めてしまい、それをパズルみたいに枠に当てはめていきます。
ここでは、「消費税増税には賛成か、反対か?」というテーマを例にとって説明していきます。
※あくまで小論文の見本として論じています。税政についてはプロではないのである程度ご容赦ください。
①(資料読解がある人)文章の要約・引用するフレーズをマーク
小論文には大きく分けて2つの種類があります。
- 資料を読んで、それについての意見を書くもの
- テーマだけ与えられるもの
この①の資料読解のある小論文では、「読解」も必要になってきますね。
まずはじっくり、与えられた資料を読み込みましょう。
一通り読んだら、資料に書いてあることを要約します。
本文・表・グラフから読み取れることを箇条書きにしていきましょう。
また本文中にそのまま使える表現があれば、引用して使ってもOKですよ。
「」の記号を使って引用することができます。
引用のし過ぎは減点対象になりますが、1・2か所なら許容範囲。
どうしても使いたい言葉にだけ、マークをつけておきましょう。
②自分の考えを整理
こんな声も聞こえてきそうですが…
そんなに難しく考える必要はありませんよ。
思った事や書きたいことを素直にメモすれば良いのです。
たとえば…
- 賛成 or 反対
- こういうことを過去に経験した
- いや、こんな場合もあるじゃん
- ここには賛成だけど、これには反対
- 要は「○○」ってことでしょ?
こんな感じで、思ったことを書き出していきましょう!
例題の消費税増税で当てはめてみると…
【消費税増税について】
- 反対!
- 貧しい人が、生活に必要なものを買えなくなる
- 消費を抑えると、経済が回らなくなる
- 無駄なものに税金を使ってない?
こんな感じで、思った事をざっくりと簡単に書いておきましょう。
③使えるワードを箇条書きにする【大事!】
次に、使えそうなワードをメモしていきます。
資料の読解があるのならその中から抜き出してもいいし、先ほどメモ書きした意見をちょっとカッコよく変えてみてもOK。
使えそうなワード
- 「軽減税率」
- 「高収入の人が多く税金を納めるのには反対だが、貧しい人が払う税金は減らすべきである」
- 消費を抑えると、経済が回らなくなる ← 「むしろ悪循環」、「国民生活は豊かにならない」
- 無駄なものに税金を使ってない? → 「税金の使い道を考えるべきである」
下2つは先ほどのメモを表現を変えたものですが、だいぶかっこいい文になりそうな気がしてきましたね。
④段落に当てはめて流れを作る
ではこれらのワードを使って、文の型に当てはめていきますよ。
小論文の基本構成は、「序論」→「本論」→「結論」でしたね。
これに先ほどのワード当てはめていきます。
まずはどの段落に入れるか考える
ここまでに出てきたワードをいったん整理すると…
- 反対
- 貧しい人が、生活に必要なものを買えなくなる
- 軽減税率
- 高収入の人が多く税金を納めるのには反対だが、貧しい人が払う税金は減らすべきである
- 消費しないのはむしろ悪循環
- 国民生活は豊かにならない
- 税金の使い道を考えるべきである
これを型に当てはめていくと、こんな感じでしょうか。
ここで何となく並び順も決めておきます。
序論と結論は最後に考えればOK
この図では、何となく「序論」と「結論」が寂しいような気もしますよね。
実は「序論」と「結論」を決めるのは一番最後でOK。
先にこれらを決めてしまうと、「本論」の部分を考える時に厳しくなってしまうんです。
「本論」を先にしっかり決めて、「序論」と「結論」は後から調整する方が楽ですよ。
思いついたすべての言葉を使おうとしないこと。
先ほどのメモの、「④ 高収入の人が多く税金を納めるのには反対だが、貧しい人が払う税金は減らすべきである 」はここでは使いませんでした。
この文章に④を入れてしまうと、まとまりがない文章になりそうですよね。
このように、何かを減らすことでまとまりのある文章にすることができますよ。
メモしたことを全て使おうとするのは危険です。
⑤これで構成メモは完成!
メモの完成形をまとめると、こんな感じになっています。
【序論】
・消費税増税には反対
【本論①】
・消費税を上げると、貧しい人が欲しいものを買えなくなる
・軽減税率という制度はあるけど、絶対に必要な日用品は10%である
【本論②】
・国民の生活は豊かにはならない。(本論①に入れてもいいかも。)
・それどころか消費行動をしないから、経済的にも悪循環である。
・無駄なく適切なところに税金を使っていくことの方が大切。
【結論】
・だから私は消費税増税には反対である。
この後清書に入りますが、清書の時に肉付けをしてきれいな文章にしていきます。
小論文の構成メモについてのQ&A
ではここで、小論文の構成メモについてよくある質問に答えていきますよ。
構成メモは絶対に書かないとダメ?
時々生徒にこんな風に聞かれるのですが…
構成メモは絶対に作りましょう!
- 文字数調整がしやすい
- 最初から大幅に書き直すことがなくなる
- 論理的でまとまりのある文章が作れる
パッと思いつくだけでもこんな感じですね。
あらかじめメモで書くべき内容を決めておけば、
こんな風に臨機応変に対応できます。
メモでまとめていないと、行き当たりばったりで書くことになりますからね。
構成メモを書かないなんて、論外です!
構成メモにかける時間は?
一般的には、与えられた時間の 1/4 ~ 1/3程度の時間を構成メモづくりに充てます。
結構多いと感じる人もいるのではないですか?
先ほども言いましたが、書き始める前に構成メモを作っておくことは本当に大切。
この工程を丁寧に行うことによって、小論文全体の完成度がアップしますよ。
小論文の構成メモは手を抜かないようにしよう
- 思いついたこと・フレーズはとにかくメモしよう
- 私流の構成メモは、「フレーズを決める」→「構成に当てはめる」の順番
- 取捨選択や書く順番も大切
- 構成メモで手を抜いてしまうと、後々修正が厄介
今回は小論文の構成メモについて解説をして行きました。
沢山書いてから大量に修正するのはとっても大変です。
制限時間があるからこそ、最初は落ち着いて作戦を練る時間を取りましょうね。
小論文が苦手な人ほど構成メモを軽視しがちです。
今回説明した通りでなくてもいいので、構成メモはしっかり作るようにしてくださいね!
小論文の書き方の全体像はこちら。
他にもたくさんのポイントをまとめています。