推薦入試やAO入試では、課題文を読んでから小論文を書くという形式も多いですよね。
でもこの「課題文読解型」の小論文、苦手としている人も多いのではないでしょうか。
というわけで今回は、「課題文読解型」小論文の書き方についてまとめていきます。
課題文の内容を盛り込むためのフレーズ、そしてよくある構成例もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今回の内容は動画でも解説しています。
+αの解説もありますので併せてどうぞ↓
「課題文読解型」小論文はどう書く?まずは分類していこう
では早速「課題文読解型」小論文の解説に移りたいのですが…。
その前に、どのような出題形式があるのか分類していきましょう。
- 小論文内で要約も盛り込むタイプ
- 小論文とは別に要約をするタイプ
- 課題文の内容を踏まえた上で自分の考えを述べるタイプ
- 課題文はあくまで参考程度とし、自由に自分の考えを論じるタイプ
- 傍線が引かれている部分についての論じるタイプ
ざっとですがこんな分類になっています。
以下ではこの分類を踏まえて解説していきますので、なんとなく覚えておいてくださいね。
課題文はどう読んでいく?
では実際にどうやって書いていくべきか、具体的に紹介していきます。
課題文読解にかける時間について
以上で挙げた分類のうち「④課題文はあくまで参考程度とし、自由に自分の考えを論じるタイプ」では、課題文をしっかり読み込む必要はありません。
なんとなく話題を把握すれば、その話題で書いていけばOKですからね。
一方で要約が必要な①や②では、印をつけながらじっくり読んでいくことが基本です。
何度も読み返して時間を浪費してはいけませんからね。
流し読みをするのではなく、慎重に読んでいきましょう。
また「⑤傍線が引かれている部分についての論じるタイプ」では、傍線分の前後を特に慎重に読んで、他は流し読み程度でもOKですよ。
ただし文章全体の流れを掴んで、正しい意味を捉えられるようにしましょう。
現代文の問題のようにしっかり前後関係を捉えていかないといけません。
課題文読解にかける時間は、課題文の文字数や要約問題の有無・小論文のボリュームなどにもよりますが…
全体の2~4割くらいの時間をかけるのが良いですよ。
これは個人差の出るところなので、同じような問題を沢山解いて時間配分を決めるのがオススメです。
課題文に印をつけながら読んでいこう
課題文読解をする際は、本文に線を引いたり印をつけたりしながら読むのがおすすめです。
線を引く理由は以下の2つです。
- 読み返す手間をなくすため
- 情報を取捨選択するため
大切なところと無視できるところを仕分けするイメージが近いかもしれません。
一般的には、キーワードとなる言葉や本文で使えそうな表現にマークしていきます。
もし現代文の勉強を通じて自分独自の印のつけ方を身につけているのなら、それを応用すればいいですよ。
そして私の場合は…
- 筆者に対する反論
- 本文中の言葉の言い換え表現
- 段落ごとの簡単な要約
このようなことも書き込むことが多いです。
「課題文読解型」小論文の構成例
次に「課題文読解型」小論文の構成例について解説していきますね。
基本的には一般的な小論文と変わらない
小論文の基本的な段落構成は《序論→本論→結論》です。
これはよくある「テーマ型」小論文でも、今回の「課題文読解型」小論文であっても同じですよ。
序論と結論で自分の意見をビシッと入れて、本論で理由や根拠、課題文に触れるなどするとキレイに収まることが多いです。
先ほど挙げた分類のうち「②小論文とは別に要約をするタイプ」と「④課題文はあくまで参考程度に扱うタイプ」は、課題文のない小論文と全く同じ書き方でOKです。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので、じっくり読んで身につけてくださいね。
「課題文読解型」小論文でよくある構成例
先ほど、構成は普通の小論文と同じでOKとお伝えしました。
しかし「課題文読解型」の小論文では、課題文の内容を自分の文章のどこかで言及しないといけませんよね。
というわけでここでは、課題文の内容をどこに盛り込むか?ということに焦点を当ててまとめていきますね。
《序論》
本文では○○と述べられているが、
私は~と考える。
《本論》
理由・具体例
《結論》
以上の理由により、~である。
これは序論の部分で課題文の内容にちょこっと触れるもの。
はじめに行った分類で言うと、「③課題文の内容を踏まえた上で自分の考えを述べるタイプ」でよく使えるものです。
本文の内容が良く読み取れているということが伝われば、あとは普通の小論文と同じように書けばOKですよ。
《序論》
筆者の考えを要約
《本論》
それに対する補足や自身の経験談、意見など
《結論》
文章の総括
↑は始めの段落をまるまる要約に充てるもの。
「①小論文内で要約も盛り込むタイプ」だと、パターンAのように一言しか触れないというのはおかしいですもんね。
全体の3割~4割くらいを要約に充てるのが良いでしょう。
そして要約だけではいけないので、自分の意見もしっかり盛り込みます。
2つ目の段落から自分の意見に切り替えることでキレイにまとまりますよ。
《序論》
自分の意見
《本論》
理由
課題文の内容に触れる
それに対する自分の考え
《結論》
自分の考えを再度主張
これは自分の意見を始めに述べて、その補足のために課題文の内容を使うパターンですね。
課題文の意見に賛成でも反対でも、この型を利用することができます。
筆者の意見に賛成の場合は本文で、
「本文でも述べられている通り~であり、私も同意見である。」
こんな感じの流れにすると良いですね。
逆に筆者の意見に反対の場合は、
「本文では~と述べられている。もちろんこういった事実もあるのだが、私は○○と考える。」
みたいな感じにすることもできます。
これを使うとしたら「③課題文の内容を踏まえた上で自分の考えを述べるタイプ」の小論文の時でしょうか。
この形を上手く使えばとてもレベルの高い文章になります。
課題文の内容を上手に取り入れるためのフレーズ
こんな風に悩んでいる人も多いかと思います。
ここでは、課題文を自分の小論文にどうやって取り入れて行くかについて解説していきますね。
課題文の内容をうまく取り入れるためには、こんなフレーズが便利です↓
- 「確かに、~(課題文の内容)」からの「しかし、~(自分の意見)」
- 「本文でも述べられているように、~」
- 「本文では~と述べられているが、(自分の意見)~」
- 「筆者が強調したいことは~ということである。」
特に、
「確かに~(課題文の内容)」からの「しかし、~(自分の意見)」
の流れを使いこなせると便利ですよ。
確かにレジ袋有料化には様々なメリットがある。しかし私は有料化によるデメリットも大きいと考える。
こんな感じで、自然な流れで課題文の意見と自分の意見をバランス良く取り入れることができます。
ポイントは、筆者の意見を全否定しないこと。
部分的に賛成・部分的に反対というスタンスであれば、中立な立場で考えているということが強調できます。
この中の表現でも良いですし、他の表現を使っても良いです。
自分にとって使いやすい言い回しというものをストックしていきましょう。
「課題文読解型」小論文を書く際の細かなポイント
ここからは、「課題文読解型」小論文を書くにあたっての細かなポイントを紹介していきます。
できるだけ自分の言葉で言い換えること
課題文中で使われている表現に引っ張られてしまい、自分の言葉で表せなくなるという人も結構多いんですよね。
しかし小論文中の言葉が課題文に出てくる表現ばかりになってしまうと…
こんな風に捉えられてしまいます…。
課題文と同じ内容のことを書きたい場合でも、出来るだけ自分の言葉で言い換えるようにしましょう。
キーワードは落としてはならない
課題文の中で出てきた大切な言葉・表現は必ず印をつけておきましょう。
特に「キーワードとなる言葉・表現」が出てきている場合、自分の小論文にも取り入れるようにします。
というのはその言葉を落としてしまうと「話の要点が掴めていない」と捉えられてしまう可能性があるからなんです。
「キーワードを見つける」と書くとちょっと難しいように感じるかもしれませんが…
課題文を読んでいく中で「ここは大切だな」と思うところにチェックをつけていけばOK。
あまり深く考えなくても、意識していれば見つけられると思いますよ。
要約文をダラダラ書かないこと
課題文のある小論文だと、本文にある文章をどこまで使うべきか悩みますよね。
先ほど分類した「①小論文内で要約も盛り込むタイプ」では一定量の要約パートを盛り込む必要がありますが…
実はそれ以外では小論文中で無理やり要約を入れる必要はありませんよ。
メインとなるのはあくまで「自分の主張」です。
ダラダラと要約文を書いて文字数を膨らませると、減点になってしまう可能性が高いので注意!
課題文の内容を上手に取り入れられれば、普通の小論文と書き方は同じ!
- 課題文読解は印をつけながらじっくり読むのが基本。
- しかし課題文は参考程度とする場合の小論文では、流し読みでもOK。
- 構成は普通の小論文と変わらない。
- 本文の内容を盛り込む位置はなんとなく頭に入れておくとGOOD。
- 本文の引用・要約は最小限に。基本は自分の言葉で書くこと!
本日は「課題文読解型」小論文の書き方について解説していきました。
課題文のある小論文には苦手意識を持っている人も多いですが、基本の書き方はテーマ型小論文と変わりません。
課題文の内容に触れる位置などを頭に入ておけば、特別な対策はあまり必要ありませんよ。
とは言えどんなタイプの小論文でも、合格できる小論文を書くためには一定量の練習は必要。
何度も何度も書いていく中で、自分にとってちょうどいい時間配分、そして文章の型を作り上げていきましょう。