小論文の試験では、課題文の要約がセットになって出題されることが多いですよね。
この要約の問題に苦手意識を持ってしまっている人も多いのが現状です。
というわけで今回は、小論文とセットになっている課題文要約の書き方を紹介していきます。
要約のしかたで悩んでいる受験生の方はぜひ参考にしてみてください。
小論文の要約の書き方。まずは手順通りに書いてコツを掴もう!
まず、小論文の要約について思うことを。
要約で満点を取るためには、かなりの練習が必要になってきます。
「現代文の問題でも筆者の言いたいことが読み取れない」って人が、いきなり要約の問題を解けるとは思えませんよね。
それに数学みたいに、「このやり方で書けば満点を貰える!」なんて技は存在しません。
もともと文章力や読解力を持っているかにも依存しますし、
「である調」を使った小論文特有の書き方に慣れている必要もあります。
しかし、そう言っても始まりません。
まずはよくある要約の手順を勉強していきましょう。
下で紹介する手順通りに進めて行けば、何となくコツを掴んでいけるはずです。
コツさえつかめば後は数をこなしていくだけ。
少しずつ経験値をためていきましょうね!
要約の手順① 印をつけながら課題文をじっくり読む
課題文を正確に要約していくためには、まずはじっくりと読み込んで行くことが大切。
2~3回はしっかり読み込んでほしいですね。
そしてその際に、印をつけながら読んでいくと思考が整理されますよ。
やり方を詳しく解説していきます↓
まずは問題文で示されている条件をチェック
まず第一に、問題文で示されている条件を確認しましょう。
例えばこんなものがありますね。
- 筆者の主張をまとめなさい
- どんな問題があるのかを完結にまとめなさい
こんな風に指定がある場合は、この条件文を念頭に置いて読む必要がありますよ。
関係ない所から引っ張ってきてもしょうがないですからね。
「どの部分を使えるのか?」と考えながら読んでいくことがポイントです。
重要な言葉にマークしながら読む
そして課題文を読みながら、”重要な言葉”にマークしていきましょう!
- 繰り返し出てくる言葉
- 「」など強調の記号が使われている部分
これらが目印になりますね。
〇で囲っておいたり、メモに残しておいたり…
とにかくこういった言葉を落とさないようにすることが大切です。
主張や問題提起の場所が分かるようにしておく
上で紹介したものは、単語や文節などの部分的なものにマークするものでした。
今度はもう少し広い視点を持って、文章や段落の役割に目を向けてみましょう。
難しく聞こえるかもしれませんが、意識してみると意外と見えてくるものもありますよ。
「この一文は筆者の主張だな」
「この段落全体で具体例を説明しているな」
「この部分は主張に対する理由づけをしているな」
こんな感じで気づくことができます。
仕分けをしながら読むイメージでいると上手くいくかもしれません。
- 問題提起
- 筆者の意見
- その理由
- 具体例
などなど。
どの部分がどんな役割をしているのかを気にしながら印をつけて行きましょう。
詳しくは後で解説しますが、
問題提起
そして
筆者の主張
の部分は高確率で要約文に使用するので、絶対に落とさないようにマークをしておきましょうね。
流れを箇条書きにする
上で解説した”文章ごとの役割の把握”が難しいと感じた人は、段落ごとの要約を作ると良いですよ。
普通は1つの段落に1つの役割を持たせているはず。
なので段落ごとの役割を掴むことができれば、文章全体流れを把握するのに繋がります。
1つの段落につき1文でいいので、段落ごとの要約文を書いてみてくださいね。
要約の手順② 情報の取捨選択をして構成メモを作る
次に、実際に書く要約文の設計をしていきます。
構成メモを作っていこう
行き当たりばったり書いてしまうと、途中で大幅に書き直さないといけない事態が起こることもあります…。
簡単なものでもいいので、必ず設計図を作るようにしましょう。
通常の小論文の構成メモの作り方はこちらの記事でまとめています。
要約の際はここまでしっかり作り込む必要はないですが、基本はマスターしておいてくださいね。
必ず拾うのは著者が強調していること
こんな人もいるでしょう。
ここではどういった内容を要約文に盛り込むのかを解説していきますね。
要約に盛り込むべき内容は、「問題提起」や「筆者の主張」です。
この2点を盛り込めば、「こういう問題に対して、こう考えている」という大筋が出来ます。
これらを意識してまとめれば、本来の内容から大きくズレることはないはず。
後は重要な語句や表現を取りこぼさないようにすればOKです。
具体例に触れるかどうかは文字数と相談
小論文の対策本によっては「具体例は全部消すように!」って書いてあるものも多いです。
基本的にこれには賛成。
具体例の部分はあまり使わないことが多いですね。
しかし、500文字以上の長い要約文が求められている場合、具体例に触れないと文字数が足りない場合もありますよね。
この辺は文字数と要相談です。
そして安直に具体例でかさ増しするのではなく、要約に本当に必要な所だけ選んでいけると良いですね。
要約の手順③ メモの通りに文章化していく
構成メモが出来たら、いよいよ清書をしていきます。
構成メモをしっかり作れていればそこまで大変ではないはず。
後から大幅に書き直さなくても良いように、頻繁に読み返しながら書くと良いですよ。
小論文の要約問題で注意したいこと
ここでは、要約をする際に注意しほしいことをまとめていきます。
細かい部分もありますが、減点されないためにしっかり確認していきましょう!
要約の際は段落分けをする?
要約問題では高確率で、原稿用紙のようなマス目がある解答用紙を使用します。
解答の際、段落分けをするか?しないのか?と悩む人も多いのではないでしょうか。
これは出題形式によって異なるので、必ず問題文をチェックするようにしてください!
指定が書いてあるはずなのでそちらに従いましょう。
とは言え一般的には、段落分けはせず全てつめて書くことが多いですね。
注目するべき表現はここにある!
こんな人のために、注目するべき場所のヒントを紹介していきます。
まずは、《具体例の前後》。
具体例を出すからには、それとセットで自分の言いたい意見があるはずなんです。
なので具体例の前後に注目しながら読めば、筆者の言いたいことが見つかるはず。
そして次に注目したいのは、《断定的な語尾》。
「です」「なのです」「と考える」「ではないだろうか」などの強い語尾は、筆者の言いたいことがストレートに出ている可能性が高いです。
また、《接続詞》にも注目してみましょう。
「したがって」などの接続詞のほか、
「しかし」「むしろ」などの逆接の接続詞の後には重要な言葉が眠っている可能性が高いです。
必ず自分の言葉を盛り込むこと
要約は課題文を短くまとめたものとは言え…
自分の言葉をまったく使わないのは絶対にNGです!
本文の切り貼りだけで構成しようとすると、不自然になってしまいますからね。
自分の言葉を中心に構成する必要はありませんが…
語尾の部分だけ言い換える、くらいの事は最低でもやってほしいですね。
規定文字数の9割を目指そう
「〇文字以内で要約しなさい」
という風に指示されている場合、規定文字数の9割を目指して書くようにしましょう。
「400文字以内」なら360字以上、
「500文字以内」なら450字以上
って感じですね。
また「350文字以上400字以内で要約しなさい」という出題形式なら、下限の350字以上を書けていれば文字数については満点を貰えるはずです。
要約で減点されるのってどんな時?
このブログでは、
「小論文の練習をする時は採点基準を意識しよう!」
とお伝えしていますが…
要約文における採点基準は、学校によって様々なんですよね。
しかし、よくある減点項目としては有名なものもあります。
以下で説明することに関しては要注意です!
小論文の採点基準についてはこちらにまとめています↓
課題文の文章を切り貼りしただたけ
先ほども書いたように、課題文の内容をそのまま書いただけなのはNGです。
最低でも語尾の部分を変えたり、文の繋がりが良くなるように変化させていきましょう。
練習を積んでいけば、文章全体を自分の好きなように書き替えることもできるようになりますよ。
言い換えたら元の意味とズレてしまった
せっかく本文の表現を自分が書きやすいようにアレンジしたとしても…。
もともとの意味・意図と変わってしまってはダメですよね。
「解釈が違うな」と判断されて減点になってしまいます。
アレンジする際は元の文章と意味が違ってしまわないように注意を払いましょう。
不要な部分を使ってしまっている
こう思われてしまうと減点になってしまいます。
こんな事態を防ぐためには、抽象的な表現を拾うのは避けるといいですよ。
特に序盤で出てくる導入文では、あえて難しく抽象的な表現をしている場合があります。
先ほども書いたように、拾わないといけないのは《問題提起》と《筆者の主張》の部分。
しっかり仕分けをしながら読んでいってくださいね。
小論文の要約問題は経験を積むことが大切!
- 要約問題は難しいから、お手本の手順を参考にして経験値を積もう
- まずは印をつけながらじっくり読み込んでいく
- 短い要約文でも、構成メモをしっかり作ろう
- メモが作れれば清書の際は苦労しないはず
- どんな場合に減点されるのか?を念頭に置こう
今回は、小論文とセットで出てくる要約問題の書き方について解説をしていきました。
要約に苦手意識を持っている人も多いですが、練習を繰り返すうちに慣れてくるはずです。
経験値を積めば、どの部分をどうやって言い換えて使うのかが直感で分かるようになってきますよ。
要約問題が課される学校を受験する人は、ぜひ早いうちから練習を始めてくださいね。