こんな声が届きました。
ずっと東京で指導している私にとってはびっくりする質問でした。
おそらくそういう風潮のある土地柄なのかな?と思ったのですが…
でもよく考えたら、東京でも私立単願の人をとやかく言う場面もときどきあるような気がしています。
というわけで今回は、私立単願は恥ずかしいことなのか?ということについて考えていきたいと思います。
私立単願で高校に進学するのは恥ずかしいことなのか?
結論から言うと、私立単願は全く恥ずかしいことではありません。
高校受験において私立単願を選択する人は大勢いますし、少なくとも私の周りでは「恥ずかしい」と言う人はいません。
ただ、これはその地域の風潮や根強い考え方も影響しているようです。
そして私立単願を選ぶに至った理由も人それぞれにあるでしょう。
しかしどんな状況であれ、人の選択にケチをつけるのは間違っていると思います。
ここではまず、「私立単願は恥ずかしい」という意見は無視してかまわないといえる理由をまとめていきます。
入学してしまえば入試方式は分からない
高校に入ってしまえば、誰がどの方式で合格したかを気にする人はほとんどいません。
よっぽど面接で印象に残らない限り、先生たちも生徒の入試方式まで把握している人は少ないでしょう。
批判する人とは必然と距離が生まれる
私立単願を批判する人がいたとしても、その人とはそもそも高校が別になるケースが多いです。
高校は同じような価値観の人が集まるので、中学時代にとやかく言われたとしてもそれはノイズでしかなかったと気付けるはずです。
高校生活は「どこに入ったか」より「どう過ごすか」
もし仮にその私立高校の受験が妥協だったとしても、その選択自体がその人の将来を左右することにはなりません。
大切なのはその高校でどのように過ごすか。
決して進学校とは言えない高校に在籍していても難関大学に合格できる人はできますし、勉強面だけでなく部活などで成果を残す人も大勢います。
これは選んだ学校や入試方式なんて霞んでしまうくらいとても尊いことだと思います。
なぜ「私立単願は恥ずかしい」という論調になるのか?
高校受験において私立単願を選ぶ人は大勢います。
それにもかかわらず、なぜネガティブな見方をされてしまうのでしょうか?
私立単願を批判する人はどんな考えを持っているのかを掘り下げてみます。
一般入試では合格できないから私立単願なんでしょ?
「私立単願=学力的に劣る」というステレオタイプな意見を持っている人もいます。
推薦や単願という制度そのものにネガティブな印象を持ってしまっているのでしょう。
ギリギリまで頑張って上の学校を狙うべき
学生だけでなく先生や保護者にも「少しでも上の学校に行けるチャンスがあるのなら挑戦すべき」と考えている人もいます。
もちろんそれ自体はとても素晴らしいのですが…
きちんとした理由があって私立単願を選んだ人にとっては、斜め上からのアドバイスかもしれません。
少しでも安く済む公立にチャレンジするべき
いくら私立高校の授業料無償化制度があるといっても、やはり公立のほうがトータルで安く済むことが多いです。
そんな中であえて私立単願を選ぶ人を見ると、「親に負担をかけてまで…」と感じてしまう人もいるようです。
公立至上主義の地域性
地域にもよると思いますが、圧倒的に公立>>>>>>私立という価値観の地域もあるようです。
私立はあくまで滑り止めという認識なんですね。
そういった地域では私立に進学しようとする時点で「負け組」の烙印を押されてしまうのかもしれません。
しかしこれはかなり局所的なもので、逆に私立至上主義の価値観を持った地域も多数存在します。
全国的に見たらこれもその地域だけの価値観であり、偏見でしかありません。
「私立だから」「公立だから」という理由でその学校や学生の価値を判断しようとするのは無意味なことです。
早くに合格が決まるなんてずるい
おそらく実際にはこの理由が一番多いと思います。
私立単願入試は一番早く合格が決まることが多いので、嫉妬されやすいのは否定できません。
それらしい理由をつけてあれこれ言ってきている人も、実は根本はこの考えだったりします。
目標に向かって長期間努力している人にとっては、自分よりも楽に、短期間で合格を得る人がいるのは悔しいことだと思います。
しかし環境や考え方が違うのだから、選択に差が出てしまうのはしかたのないこと。
だからこそお互いに気遣いを持って接するべきです。
ここまで思いつく限りいろいろな理由を挙げていきましたが、総じて家庭環境や早くに合格を貰えることをやっかんでいる場合が多いように思います。
なので「私立単願は恥ずかしい」という意見のうちの多くは無視してかまわないと考えます。
まとめ:その学校を選んだ理由があるのなら私立単願ば恥ずかしいことではない
というわけで今回は私立単願は恥ずかしいことなのか?ということについて私の考えをまとめていきました。
家庭教師をしていると、生徒一人ひとり、そしてそのご家庭にも、それぞれの考えがあることに気づかされます。
そして私は、それらすべてが尊重されるべきだと強く信じています。
もしこの記事を読んでいる方が受験生であれば、自分で選んだ道に自信を持って、周りの声にとらわれることなく、まっすぐ夢をつかみにいってほしいと願っています。