こんな風に悩んでいる人は、塾の生徒を見ていても多いです。
小論文の書き始め(=序論)というのは、文章全体の印象を左右するものでもあります。
サクッと終わらせるべきではありますが、決して手を抜いてはいけません。
この記事では小論文の書き出し方の例文をご紹介していきます。
小論文を書くのが苦手な人はもちろんのこと、時間短縮させたい人も必見です。
こちらの内容は、動画でも解説しています。
ぜひ併せてどうぞ↓
小論文の書きだし方の例文集
では早速、小論文の書き出し方の例文をご紹介していきますね。
結論を先にドンと書く系
「結論を先に書く」というのは、小論文では基本中の基本。
このパターンが圧倒的に多いですね。
具体的に見ていきましょう。
「○○には賛成/反対である。」
小論文でよくあるのが、「○○に賛成か?反対か?」という問題。
このパターンだったら書き出しでいきなり賛成か反対かを書いてしまった方がいいです。
【序論】○○には賛成/反対である。理由は以下の二点である。
【本論】一つ目の理由としては…
こんな感じで、本論の中で理由を述べていきます。
一番シンプルなので、小論文が苦手な人はまずこれを覚えておきましょう!
「私が提案したいのは、○○という方法である。」
問題文で、「△△を解決するためにはどうしたらいいか?」みたいな聞き方だったら、こんな書き出しも良いですね。
これをちょっと応用して、いろんな表現が考えられますよ。
- 「○○については以下の2つの対策が効果的だと考える。」
- 「この問題を解決するためには、○○が必要不可欠である」
こんな感じで、細かい部分はテーマによって変えていってくださいね。
問題提起する系
次に紹介するのは、序文で問題提起するパターン。
詳しく見ていきましょう。
「○○には~の可能性もある。」
問題文中では触れられていない、自分で考えた可能性や危険性について述べていきたいときですね。
本論の部分で詳しく述べていけば、序論はこれくらいシンプルでOKです。
これも少し書き方を変えると…
- 「私が指摘したいのは~ということである。」
- 「○○には~という問題もある。 」
- 「私は~という場合もあるのではないかと考えた。 」
これもテーマに沿って部分的に変えていけばOKですよ。
「○○の場合も考えられるのではないだろうか。」
これも先ほどと同じで、問題文中では述べられていない、自分で考えたことを書くときの例ですね。
ここで注意なのが、「?」ではなく「。」を使うこと。
小論文では基本的に「?」は使いません。
一般論から本論へつなげる系
先に一般論を述べておく方法も、初心者さんでも簡単に使えるテクニックですよ。
「一般的には○○と言われているが、私はそうではないと考える。」
これは結構使いやすい書き出しの例なので覚えておきましょう!
この後本論で理由を説明していけばいいので、流れを簡単に作ることができますね。
「世間では○○という考え方が主流だが、この背景には~」
出題されているテーマについてある程度知識がある時は、こんな書き出しも使えますね。
同時に知識があるということもアピールできます。
事件や例を出す系
普通は具体例は本論で触れることが多いですが、あえて具体例から始めてしまうのも作戦の一つですよ。
「つい先日、~という事件があった。この背景には…」
こんな書き出しをしたら、結構インパクトがありますよね。
ただ、この場合全体の構成に注意しなければいけません。
本来の「序論」に当たる部分で具体例を出すということは、本論で述べるのは自分の意見が中心となりますね。
本論でまた具体例…となると、よほど文章が上手な人以外は散らかった文ができてしまいます。
本論をがっつり書ける自信がある人は、この手法はおすすめです!
これから論じる事について前置きする系
これも結構テクニカルですが、よくある出だしです。
どういう視点でこれから論じていくのかをはっきりさせることで、採点者の読みやすさや柔軟な考えができるというアピールにも繋がりますよ。
「3年間ボランティア活動をしてきた私が考えることは~」
まず自分の立場を明確にするパターンですね。
自分の経験も同時にアピールできるので、これを使えるとレベルが高いです!
似たような書き出しとしては、他にこんなものもあります。
- 「自営業をしている親を持つ私としては、~が大切だと考える。」
- 「教育者としての視点から、どのように対策するべきかを論じる。」
こんな風に、自分の立場や経験をアピールしていきましょう。
こんな風に考えるかもしれませんが…
実はそんなことはないんですよ。
教育学部や医療・看護系の学部では、その職業に就く人としての視点で小論文を書くことが求められます。
なのでこれらの学部に当てはまる人は特に、この書き出しパターンは覚えておきましょう!
「この文章は○○の視点であったが、ここではあえて△△の視点から論じる。」
これは資料読解型の小論文で良く使います。
資料で述べられていることと少し視点を変えて論じる方法ですね。
本論の部分も書きやすい、穴場的な書き出し表現ですよ。
問題文を引用するという手も。
どうしても書き出しが思いつかなかったら、問題文を引用するという手もあります。
「なぜ~が普及しているのだろうか。私の考えは以下のとおりである。」
「なぜ~が普及しているのか、あなたの考えを述べよ。」という問題文だったら、前半部分をちょっと引用すればいいですね。
「~という問題について、私は2点問題があると考える。」
これも問題文から引用しています。
「~という問題について、あなたの考えを述べよ。」
こんな感じの問題文ですね。
いずれも思考停止で書けるものなので、「どうしても書き出しが思い浮かばない!」という緊急事態にどうぞ。
小論文の書き出し方のポイント!
ここまで小論文の書き出しで使える表現を紹介していきましたが…
例文のままそっくり使えない場面も当然出てきます。
そういう時は自分でひねり出さないといけませんよね。
ここでは書き出し文を考えるポイントを紹介しますね。
まず本論で述べることを考えよう
皆さん、「小論文は最初から順番通りに作っていかないといけない」と考えていませんか?
実はその反対。
まずは構成メモの段階で、本論で書きたいことをメインに考えていきます。
本論で言いたいことが決まれば、それに合うように「序論」と「結論」を作れば良いだけです。
これだけで随分と書き出し文が楽になりますよ。
構成メモの書き方はこちらで解説しています↓
序論は長々と書く必要はない!
実は序論は、2文くらいの完結な文章でもOKなんです。
文字数制限の少ない小論文だったら、最悪1文でもいいくらい。
長い序論は逆に分かりにくくなってしまうことがありますよ。
小論文を書くのに慣れていない人は最初は短い序論で練習し、必要に応じて文を増やすようにしていきましょう。
小論文の書き出しについてのQ&A
次に、小論文の序文に関する細かな質問に答えていきます。
結論と同じことを書いてもいい?
先程紹介した、”結論を先に述べるタイプ” の書き出しだと、序論と結論が同じ内容になってしまいますよね。
結論から言うと、同じことを書くのはOKです。
ただし!
全く同じ文章にするのは避けましょう。
語尾や言い回しを変えれば、同じ内容でも不自然じゃありませんよ。
「私は~」から始めてもいいの?
作文の書き出しって、「私は~」が定番ですよね。(笑)
この記事でも「私」ではじまっている例文をご紹介しましたが、実際のところどうなのでしょうか?
答えは、極力避けるべきだけどNGではない、です。
というのも、小論文は ”自分の考えを述べる文章” だから。
あえて「私は~」という必要はないのです。
そして、「私は~」から始めるとどうしても ”小学生の作文感” が出てしまいますよね。
もっと格好いい文章を書きたい人は、「私は~」以外の言葉で始めたほうがいいかもです。
どうしても書き出しが分からない!
どうしても書き出しが分からない人は、小論文で述べたいことが自分の中でまとまりきっていない場合があります。
先程も書きましたが、きちんと構成メモは作りましょう。
構成メモからさらに細かく、段落分けまで決めてしまうと良いですよ。
序論で使う表現を考えるのは、小論文で述べたいことと構成が決まったあと。
序論以外の部分をしっかり決めれば、スラスラ書けるはずです。
パターンを覚えれば小論文をスムーズに書き始められる!
- 序論にはいくつかの決まったパターンがある
- 一番簡単なのは、「先に結論を述べる系」と「問題文を引用する系」
- 自分のテーマに合わせて、アレンジして使おう
- どうしても書き出しが分からない人は、ちゃんと構成がまとまっていないのかも。
今回は小論文の書き出しの例文を紹介していきました。
いずれもよく使うものなので、パターンとして覚えておきましょうね。
そして実際に使うときにはそのままでなく、テーマや文脈に合わせてアレンジして使うことをお忘れなく!
この記事を読んで、少しでも小論文が得意になってくれたら嬉しいです!
小論文の書き方の全体像はこちら。
他にもたくさんのポイントをまとめています。