よく生徒から質問されるのが、「どの模試を受けるべきなのか?」っていうこと。
定期的に模試を受けるべきなのは分かっていても、具体的に何を受験したらいいのか分からず行動できない人も多いんですよね。
という訳で今回は、各予備校の模試の難易度・受験者数・受験者層などの比較をしていきます。
模試の難易度比較
では早速模試の比較をして行きたいのですが…
はじめにざっくりとしたイメージをまとめてしまいますね。
【マーク模試の比較】
難易度 | 母集団 | 受験者層 | 判定 | |
---|---|---|---|---|
河合 | 普通 | 多 | 普通 | 〇 |
駿台 | 普通 | 多 | 普通 | 〇 |
駿・ベネ | 普通 | 多 | 普通 | 〇 |
東進 | 普通 | 普通 | 普通 | △ |
代ゼミ | 普通 | 少 | 普通 | △ |
進研 | 易 | 多 | 低 | × |
【記述模試の比較】
難易度 | 母集団 | 受験者層 | 判定 | |
---|---|---|---|---|
河合 | 易 ~高 | 多 | 普通 ~高 | 〇 |
駿台 | 易 ~高 | 多 | 普通 ~高 | 〇 |
駿・べネ | 普通 | 多 | 普通 | 〇 |
東進 | 普通 | 普通 | 普通 | △ |
代ゼミ | – | – | – | – |
進研 | 易 | 多 | 低 | × |
全体のイメージとしてはこんな感じです。
ただ各予備校はいろんな種類の模試を展開していますので、その模試の種類ごとにちょっと感覚が変わるんですよね。
それでは予備校別に詳しく解説していきます。
河合塾模試の特徴と難易度
2019年度までは「全統マーク模試」という名前だったもの。
共通テストを意識した問題構成。
「全統マーク模試」の時代はセンター試験と同程度か少し難しいくらいの難易度。
記述模試の中では問題の難易度は低め。
基礎力の確認という意味で受けてもOK。
全てが論述式ではないので国公立受験者以外も多数受験する。
難易度高めの模試と位置付けられている。
しかし出題パターンとてしは王道なものが多く、突拍子もなく難しい問題はない。
駿台の「全国模試」よりもはるかに解きやすい。
センター試験の予想問題。
センター試験と同程度か少し難しい程度の難易度。
河合模試は一番メジャーと言っても過言ではないくらい、受験者が多く有名な模試です。
1年間で開催される回数も多いのが特徴ですね。
標準レベルの問題構成となっているので、幅広い受験生に対応しています。
冠模試についても受験者が多く、判定の信頼度も高いです。
一方で記述式模試の中では、進研模試以外では河合塾が一番簡単とも言われます。
駿台模試の特徴と難易度
センター試験よりも少しだけ難易度が高い。
東大・京大模試や駿台全国判定模試とドッキング判定が可能。
河合マークよりも若干難しい印象。
標準レベルの記述模試。
発想力が問われるというよりは、王道な問題を着実に練習すれば解けるイメージ。
上記の「全国判定模試」と名前は似ているが、レベルも受験者層も全く別物。
東大や早慶などの難関大学の入試問題よりも難しい。
平均点が3~4割と、高得点をたたき出すのは至難の業。
実際のセンター試験よりも難しい。
特に数学はセンター本番の問題よりも数段階レベルが高い。
駿台模試は、「難しい」というイメージを持っている人が多いです。
確かに他の模試と比べて若干レベルは上がるのですが…
「超難しい」と称されるのは《全国模試》のみです。
他の《全国判定模試》や《マーク模試》は標準的かちょっとだけ少し難しいくらいの問題構成になってますよ。
《全国模試》は全国の猛者たちが受ける模試のため、偏差値は低めに出る傾向にあります。
駿台・ベネッセ模試の特徴と難易度
駿台・ベネッセとつく模試は難易度は標準的。
駿台模試と大体同じ感じですね。
ただ駿台模試や河合模試と比べると若干の解きやすさは感じます。
東進模試の特徴と難易度
センター試験に完全準拠した模試が4月から開催されている。ただ「そっくり度」他の予備校劣るイメージ。
本番よりもちょっと難易度が高め。
偏差値50程度~MARCHの受験生を対象とした模試。
下記「難関大学記述模試」よりは難易度が低い。
上智大・東京理科大以上の大学を受験する人のための模試。「有名大本番レベル模試」よりも難易度は高め。
河合「プライムステージ」や駿台「全国模試」よりも難易度は低い印象。
東進模試の良い所は、結果帳票が最速5日で帰ってくること。
そしてセンタープレの実施は12月中旬~下旬と各予備校の中でも最も遅いです。
最後の最後、仕上げの模試として使う人も多いですね。
また、河合模試・駿台模試より受験者数は少ないです。
東進生が多くの割合を占めているため、判定はあまり当てにしない方が良さそう。
また東進の模試では、学校の進度はあまり気にしていないのが特徴です。
高3用の模試であれば1学期であっても、高校の内容全てから出題されます。
また東進は「全国高校統一テスト」や「センター同日模試」など、学年に関わらない模試を提供しています。
腕試しをしたい高1・高2生はチャレンジしてみると良いかもですね。
代々木ゼミナール模試の特徴と難易度
昨年までは「総合学力判定模試」という名前で年1回の実施だったが、「共通テスト入試プレ」は年2回の開催。
昨年までの難易度は平均くらいであったが、今年度どうなるかは未知数。
代々木ゼミナールの模試は、上記の「共通テスト入試プレ」のほかは冠模試(大学別模試)のみ。
そして他社と比べて受験者数が少ないのが特徴です。
よって偏差値や判定はあまり信用しない方が良いのですが…
代ゼミの模試・予想問ではセンター試験の問題を的中させたことがありますので、問題の作りは悪くないかと思います。
(他社も同様に的中させている問題がありそうですけどね…。一応リンクを貼っておきます。)
【参考リンク】 代ゼミ センター的中
進研模試の特徴と難易度
進研模試についてはちょっと注意が必要です。
進研模試の特徴は、
- 受験者数は最も多い
- しかし受験者の学力層は低い
- 問題は簡単
- 学校単位での申し込み
これらですね。
進研模試は他の予備校の模試と違って、個人で申し込むことはできません。
ゆえに浪人生は受験することができなかったり、ほとんど進学しないような高校の生徒が多く受験していたりするんです。
また問題が簡単なことから、進学校では進研模試を導入してない場合が多いですね。
つまり、進研模試では高めの偏差値が出てしまうということです。
なので進研模試で出される「ほかの受験生との相対評価」はあまり信用しすぎない方がいいでしょう。
受ける模試の会社で迷ってしまったら…
この章では、こんな風に迷っている人のための選び方をアドバイスをしていきます。
冠模試・ハイレベル模試は会社をまたいで受ける
まず必須なのが冠模試(大学別模試)。
難関大・国公立大を受ける人は該当の模試を必ず受けるようにしましょう。
また冠模試ではなくても、難関大を受ける人は「プライムステージ」や「難関大模試」のような名前のハイレベル模試も最優先で受けていく必要があります。
これらの模試は各会社が開催しているので、1社に絞らずに会社をまたいで受験するのがオススメです。
まずはこれらのような受験対象者が限られているタイプの模試を選んで、後はスケジュールに合わせて調整していきましょう。
標準レベルの模試なら河合塾が無難
そんなに難関と言われる大学を受験せず、定期的に模試を受けていきたいのであれば「河合模試」がオススメです。
というのは…
- 受験者数が多い
- 受験者層が広い
- 問題が標準的
ということでかなり無難と言える模試なんですよね。
母集団が大きいことは、自分の正しい立ち位置(偏差値)を知るのに必須ですから。
マーク模試と記述模試をバランス良く受けていきましょう。
そして足りないと思う月、共通テストプレなんかは他の会社の模試を必要に応じて足していくのがいいですね。
国公立大学を受験する人はドッキング判定がある模試を
国公立大学を受験するのであれば、ドッキング判定のある模試を選ぶようにしましょう。
ドッキング判定とは、マーク模試を共通テスト、記述模試を個別試験に見立てて総合的な判定をしてくれる模試です。
河合・駿台・駿ベネ・東進の模試でドッキング判定を行ってくれます。
どの模試とどの模試がドッキング判定されるのかも確認しておきましょうね。
受験する模試の難易度は必ずチェック!
- 基本的に模試の難易度に大きな違いはない
- ただし駿台の「全国模試」と「進研模試」だけは注意が必要
- 無難なのは河合塾の模試
- 自分に合う模試を選んで受験しよう
今回は各予備校の模試の難易度について解説していきました。
「プライムステージ」や「有名大本番レベル模試」など分かりやすく特別っぽい名前の模試は良いのですが…
駿台の「全国模試」や「進研模試」なんかは普通の名前をしているのに特殊なので注意ですね。
お分かりの通り、模試は問題の難易度だけでなく「受験者数」や「受験者層」なども注意しておきたいです。
そうしないと、偏差値を見てびっくりしてしまうこともありますからね…。
それでも「どの模試を受けたらいいのか分からない」、「模試の結果をどう捉えていいのか分からない」って人は、塾や学校の先生と相談してみましょう。
あなたの現状に合わせたアドバイスが貰えるはずです。
ぜひ自分に合った模試を選んで、受験勉強に役立てていってください!