私が担当している生徒の親御さんは教育熱心な方が多いです。
教育に無関心よりは断然熱意があって、塾のしっかりコミュニケーションを取れるので理想ではあります。
しかし、なんでもやりすぎはNG。
勉強に中途半端に関与・口出ししすぎてしまうと、子供のやる気が失われる危険性があるんです!
今回はそんな危険なNG習慣についてご紹介していきます。
親御さんが勉強を見るのは素晴らしい。けど、やりすぎはNG!
こんな例があります。
ある生徒のお母さんは毎回家庭学習の成果を報告してくれます。
その中で、「○○の範囲が苦手みたいなので塾でも練習させてください」との要望がありました。
よく確認してみると…その学年ではまだ習わない考え方を使っていました!
本人は「まだ習っていないからわからない」と私にはしっかり言うことができます。
しかし母親はきちんと教えない上で練習をさせていたみたいなのです。
お母さんが勉強内容を教えるというのは難しいことだとは重々承知なのですが…。
それにしても子供の言うことを信じていないのか、そもそもお家でそんなことも伝えられない状態なのか…
このままお母さんのいいなりで勉強しても意味がない!と感じた瞬間でした。
次の章から、なんで親が勉強に関わりすぎると良くないのか、具体的に説明していきますね。
なぜ親が勉強に関与しすぎると、やる気が低下してしまうの?
親のために勉強するようになる
「自分が勉強すればお母さんは喜んでくれる!」
勉強をするきっかけとしては良いかもしれません。
しかしこういった気持ちだけで勉強するのはあまりよくないです。
勉強は将来の自分への投資です。
しかし小学生や中学生だと、それが分かっていないことがほとんどだと思います。
難しいことだとは思いますが、勉強は人のためにすることではなく自分のためにすることだと自覚していたほうがやる気が断然アップします。
お母さんが口うるさく勉強しろと言ったり、大げさにほめたりばっかりしていると、
「怒られたくない」、「褒められたい」という気持ちだけで勉強するようになってしまうので注意が必要です。
これは後述する自主性の部分にもかかわってきます。
プレッシャーに感じる
子供が必要以上にプレッシャーに感じてしまうことも多いですよ。
子供に期待しているからこそ「勉強しなさい」と言ってしまうのは分かります。
でも、「もし次のテストで良い点を取れなかったらお母さんが悲しむ…」なんて恐怖心から勉強したのでは、その場限りの知識になってしまいます。
また親の無意識な一言や、よかれと思ってしたことが、子供がプレッシャーとして受け取ってしまうことがあります。
親のエゴが入らないように(もしくは気づかせないように)話してあげないといけません。
楽しんでする勉強ほど自分の武器になりますから。
自主性が育たない
親に言われるがままに勉強をしていると、自分の目標がないことが多いです。
ある生徒の例を出します。
親が言うから塾に通ってる、習い事もしてる、生徒会もやってる。
小学校の友達はみんな近所の中学校に通ってるけど、地域でも人気のある公立中のがいいって親が言うからそっちにした。
本当は何がやりたいの?とまでは聞けませんでしたが、なんだか親の言いなりになっているうちに、自分の本心を出すことを忘れてしまっているんじゃないかと感じました。
今はいいかもしれませんが、これから高校・大学、社会に出ると自分で選択しなくてはいけないことが多くなります。
いいなりにしかなれなくて、自分の考えを持つということができないと、これからの厳しい社会では生き抜くことが難しいかもしれません。
褒められないと勉強する意味がない
褒めてくれると嬉しいから勉強するけど、だんだんと褒められなくなってきて勉強が嫌になるケースです。
これも自主性が育たないということに関係してきます。
褒めること自体が悪いことというわけではありません。
むしろ良いことなんです。
ただ必要以上に褒め称えすぎたり、褒めるポイントを間違ってしまうと、褒められなくなった瞬間に勉強へのやる気は失われてしまいます。
子供が成長するにつれて、どうしても「これくらいできて当たり前」という考えが出てきて褒める機会が減ってしまうかと思います。
そうなると、「勉強しても特に褒められないしやーめた。」なんてことになってしまうかもしれません。
こればかりは答えがないことなので、お子さんの性格なども加味して考えていく必要があります。
勉強しろ!って子供には言うけど…
勉強の成果に無関心になってない?
「一日〇時間勉強した!えらい!」
とは褒めているかと思います。
ですが、
「テストでこんなにいい成績を取った!」
「先生に褒められた!」
ってことをきちんと褒めていますか?
勉強の過程の部分も結果の部分も、両方を褒めてあげないと、
「何のために勉強しているんだろう…?」
って考えになってしまいますよ。
逆に、過程と結果の両方を褒めてあげれば、
「頑張ってよかった!」
とモチベーションが高まります。
具体的なアドバイスをできている?
「テストの点数が悪かった!もっと勉強しなきゃだめ!」
と頭ごなしになっていませんか?
「勉強しろ」とだけ命令するだけで具体的なアドバイスなしでは、
「頑張っているつもりなのに…」と勉強のやる気がなくなってしまいますよ。
例えば…
「夕ご飯の前に30分だけ勉強してみよっか?」
「漢字が苦手だから1日1ページ漢字ドリルをやろう」
「宿題が終わってからゲームをしたほうが、心置きなく楽しめるんじゃない?」
などの具体的な提案をしてみると、何をすればいいのか分かって、すぐ行動に移すことができます。
中学生以上になると勉強の内容を親が教えるなんてことは難しいですよね。
中学生以上の子に必要なのは、きちんと環境を整えてあげること。
塾や家庭教師を上手に利用したり、家の中をしっかり勉強できる環境に整えてあげてください。
勉強できる環境をつくってあげている?
せっかく子供が勉強をしようとしていても、家の中が集中できない環境だと意味がないです。
テレビや音楽がついていて楽しげな空間のなか、自分だけが勉強しなくてはいけないというのはなかなか酷です。
勉強する時間だけはテレビを消してあげるなどの対策はいくらでもとれますよ。
こちらの記事は生徒向けに書いたものですが、勉強のための環境づくりのヒントになるかもしれません。
親が勉強することをキライなんじゃない?
子供に勉強をさせたいなら、たとえ親が勉強を嫌いでもその姿を見せてはいけません。
もし親は勉強が嫌いなことに感づいてしまったら、
「なんでこんな拷問みたいなことさせるの…?」
って考えになってしまっても不思議じゃありませんよ。
「勉強は楽しいよ!」伝えていくことももちろん大切ですが、
一緒に勉強をしていけるとなお良いですね。
子供のやる気を引き出すためには具体的にどうすればいいの?
こちらの記事でやる気が出ない子供に対しての対処法を詳しく説明していますよ。
ぜひ一度ご覧くださいね。
子供の勉強のやる気を引き出す、おすすめ教材
もうステマみたいになっていますが、私も現役時代に使用していた進研ゼミ。
小学生までは勉強冊子だけでなく、読み物の冊子もついています。
勉強の仕方や生き物のことなど、幅広いジャンルのことを易しく解説してくれているので、興味の幅をを広げてくれますよ。
本屋さんであれこれ買うよりも、自動的に毎月届けてくれるのでお手軽です!
まとめ:子供の自主性を育むことが、勉強のやる気アップへの最短距離
生徒の自主性を育ててください。
中学生までは言われたとおりに勉強すればある程度の成績が取れるかもしれません。
しかし、高校・大学での勉強は自分で問題を発見して解決策を考えていかなければいけません。
高校生になったら勉強はもっと専門的になりますし、教科によって勉強方法を変えたり、自分に合う教材を選んでいかなくてはいけません。
もっと未来、社会に出てからはもっと顕著に、自分で考えられる人とそうでない人に分かれてしまいます。
答えを教えるのではなく、それではだめだと気付かせること。
そして、どうしたらいいのか考えさせること。
義務教育の勉強はその訓練です。
子供の勉強が心配なのも分かりますが、自分で解決できる力をつけるためにぐっと我慢することも必要だと思います。