このブログでも何回か書いていますが、私は現役の時に塾に通っていませんでした。
中3の時に友達に誘われて夏期講習と冬期講習に行ったくらい。
当時は塾に対してあまりいいイメージがなかったんですよね…。
なので「塾に行きたくない・辞めたい」と感じる生徒の気持ちも分かるんです。
今回は塾に行きたくない・辞めたいと思う生徒の気持ちを、私の経験と生徒との会話をもとにまとめてみました。
塾に行く・行かないでお子さんと揉めている保護者の方にも参考になるかと思います。
学生の方は『あーあるある』と思いながら読んでくださっても構いませんし、塾に対するイメージが(できれば良いほうに)変わってくれれば幸いです。
塾に行きたくない・辞めたいと思う生徒には3つのタイプがある
「塾に行きたくない」なんて口にしたら、
こんな風に怒られるのが当然の流れのような気がしますが…
でも決して頭ごなしに怒るべきではありません。
生徒にもいろんな理由があります。
ただめんどくさいだけかもしれないし、勉強効率を考えての発言かもしれません。
塾講師の私が考察するに、「塾に行きたくない・辞めたくない」と言う理由については3つのタイプがあると考えています。
- ”勉強は好き。塾に行かずに自分で勉強したい”タイプ
- ”勉強は嫌いではないけど、塾ってなんか嫌…”なタイプ
- ”そもそも勉強が嫌いで塾なんて行きたくない!”タイプ
塾に行きたくない・辞めたい理由がどれなのかによって、これからの勉強の方針が変わってきますよね。
次の項から、これらを詳しく説明していきますね。
タイプ① 勉強は好き。塾に行かずに自分で勉強したい!
勉強自体は好き。
だからこそ塾に行かずに自分で勉強を進めたいというタイプですね。
このタイプは勉強嫌いの人や親御さんからは理解されづらいんです…。
具体的に解説していきますね。
塾が自分の勉強の邪魔になる
現役時代、私は進研ゼミと市販教材をベースに勉強をしていました。
自分なりに学習計画を立てて、コンスタントに勉強できているつもりでした。
それが塾に通うことによって、自分の計画通りに進まなくなるのではないかと恐れていたんですよね…。
特に恐れていたのは、
- 宿題をたくさん出されて自分の勉強計画が達成できないのではないか?
- 完璧に理解していて自分には必要ないところも繰り返し練習しろと言われるのではないか?
の2つでした。
私が中3の冬に友達に誘われて通った塾は集団塾でした。
レベル別にクラスが分かれていて都立高校の入試問題に慣れるためのコースだったので、結果的には通ってよかったと思っています。
塾でみんなと足並みそろえて勉強する必要ってある?
はい、これも私の体験談です。
こんな風に思ってたんです。
当時は今ほど個別指導塾が多くなく、塾と言えば集団塾でした。
個別指導の塾があるなんて知っていたらそこに入っていたと思います。笑
で、結局メインの勉強は進研ゼミ。
中3の夏・冬以外は塾に一切通いませんでした。
このように考えている人は結構多いんですよね。
自分で学習計画を立てられる生徒ならば、「むしろ塾が邪魔」って考える傾向が強いです。
塾なんて行かなくても自分で勉強できる!
って考えの人ですね。
実際のところは、本当に必要ないなら塾なんて行かなくてもいいんです。
でも…
今は問題なくテストをクリアできていても、受験を自分一人で乗り切ることはできますか?
受験は孤独な闘いです。
そして、受験勉強はすぐに効果は出ません。
自分のやっている勉強方法が正しいのかどうか不安になることもあると思います。
具体的に目標を持って塾に通う人がほとんどですが、何気ない不安を払拭するために塾に通う人もいるんですよ。
また、塾に通う利点は勉強面だけではありません。
受験情報を得たり、仲間や先輩からいい刺激を貰ったり。
自分のためだけではなく応援してくれる人のためにも頑張ろうと思えるんですよね。
タイプ② 勉強は嫌いではないけど、塾ってなんか嫌…
先ほどのように、勉強が大好きで、自分の計画を軸に勉強に取り組んでいる人も多数いますが…
それよりも圧倒的に多いのは、
こんな人だと思います。
こんな生徒たちはなぜ、塾に行きたくないと思うのでしょうか?
先生との相性が合わない
『そんなわがまま言わないの!』と思わず言いたくなりますが、これってすごく大切なことなんです。
よく知らない、あまり好きではない人からの命令、素直に聞き入れられますか?
ほとんどの人はNOです。
講師と生徒なんて所詮赤の他人です。
人間的に噛み合わない人からのアドバイスはストレスにさえなります。
逆に、尊敬している人のいう事は素直に受け入れられますよね。
「先生との相性が合わないから…」という言葉はSOSである可能性もあります。
頭ごなしに否定しないで、よく話し合ってくださいね。
塾で勉強する目的がない
なぜ塾に通っているのかよく分かっていないタイプですね…。
”志望校合格!”などの具体的な目標がないと、塾に行くのも億劫になってしまうでしょう。
『友達が通っているから』や『親に行けって言われたから』といった理由では勉強は苦になるばかり。
そんな人は、志望校や次回のテストの目標点などの具体的な目標を決めてみましょう。
こういった目標は親が決めてしまうのではなく、生徒本人が決めるのがポイントです。
友達がいない・キライな友達がいる
友達との兼ね合いで塾に行きたくないって人は結構多いんですよ!
目的なく塾に通っている子は、
と高確率で言い出します。
友達がいる環境の方が切磋琢磨できるというのなら、もちろんそれでも構いません。
でも、友達がいるっていうだけで塾選びをするのはちょっともったいないです。
仲の悪い友達がいる場合、曜日やコースを変えてその子とできるだけ会わなくて済むように調整してもらうのはどうでしょうか。
塾側もできる限りの対応はしてくれるはずです。
部活や習い事で疲れてしまって、塾に行きたくない
部活や習い事で忙しく、塾での勉強が手につかない子もいます。
そういった子は塾の授業中にうとうとしてしまったり、塾からの宿題で学校の予習が出来なかったりと弊害が出てしまう事が多いです。
この場合、生徒を責めてはいけません!
人間には限界があるんです。
本人の意に反してうとうとしてしまうのですから、当然授業の内容は完全には頭には入りません。
これではお金も時間ももったいないですね。
子供が授業に集中できていないと定期面談で初めて知る親御さんもいらっしゃいます。
定期的に塾と家庭とで情報を交換するのは大切ですね。
こういった場合、講師側としたら宿題を減らすくらいしか対応できません。
(これは個別指導限定ですが…。)
習い事を減らす、塾に通う日数を減らすなど、スケジュールを改めて考え直す必要があります。
塾で頑張っているのに…褒めてくれない!
真面目に通って、勉強も一生懸命やっているのに誰もほめてくれないと、子供は嫌になってしまします。
塾に行かせているということで、親が満足してしまっていませんか?
塾に通うのはスタートでしかありません。
その後、やる気を維持できるのかは自分と環境次第。
その努力を周囲が当然のものとして捉えてしまうと、本人はやる気を失ってしまいます。
生徒なりに頑張っているということを認めてあげてください。
親の尺度ではなく、相手の尺度で考えましょう。
もし塾があまり褒めない、体育会系の塾だったら…
子供の性格によっては塾を変えることも視野に入れたほうがいいかもしれません。
親から塾に通っていいって言われたけど、お金が心配…
こんな風に考える子は多いんです。
高校生だと、自分で稼いだバイト代で塾に通っている子さえいます。
経済状態や何にお金をかけるかはお家により様々。
しかし親が塾に通わせたいと思っているのならば、少なくとも子供にお金の心配をさせるべきではありません。
『お金をかけているんだからその分成績を上げろ』というのもごもっともです。
ですがそれは、
『そんな風に言われるなら塾なん行かない…』
『頑張っているつもりだけど結果がついてこない。どうしよう…』
こんな風に考えてしまう子もいます。
子供にとっては余計な心配やプレッシャーになってしまうんですよね…。
親の希望として塾に行かせたいのなら、プレッシャーをかけるよりも、
こんな風に言ってあげたほうが生徒は気が楽です。
タイプ③ そもそも勉強が嫌いで塾なんて行きたくない!
これまでに挙げてきた理由を見てみると、「生徒側もよく考えているんだなあ…」という印象を受けますが…
でもやはり、わがままで「塾に行きたくない」という生徒も多いです。
塾なんて辞めて友達と遊びたい!
小中学生の男の子に特に多いですね…。
体力の有り余っている男の子には、座ってじっとしている事さえも難しいことがあります。
そういった子は学校の授業にもついていけてない場合もちらほら。
遊びたい盛りの子には仕方がないのかもしれませんが…。
親御さんもこれからのことを心配して塾に入れているのだと思います。
やはり勉強の効果を手っ取り早く出すことができるのは塾に通うが良いです。
でも、日々の家庭学習も同じように大切なんです。
塾に通わずに成績を伸ばしている子も沢山いるわけですから。
もし塾に通う頻度などで揉めているのであれば、家での自習の時間なども話し合って決めると良いですよ。
塾に通うなんてダサくね?
「塾=勉強が出来ない人が通うところ」と考えていませんか?
そうではありません、みんなが目標に向かってがんばる所なんです!
一度どこか体験授業を受けにいったり、実際に塾に通っているお友達から様子を話してあげられると良いですね。
別に高校なんて行ければどこでもいいし…。
目標もやる気もないタイプ…これは厄介です。
目標がないということ自体は、それはそれで構わないと思います。
でも、いざやりたいことを見つけた時に学力が足りなくて諦めないといけないのは悲しいですよね。
普通の学校を卒業して、普通に会社勤めをするにしても、ずっと無気力ではいられません。
どこかで覚悟をもって自分と戦わなくてはいけなくなる時が来ます。
こんな事態を防ぐためにも、「目標に向かって全力で頑張る」という体験は学生のうちにしておいた方がいいです。
成功体験ももちろんですが、学校で習うような基本的な知識がないとうまくいかないことも多いですしね。
塾でみんなが目標に向かっているのを見れば、感化されて「自分も頑張ろう!」となるのではないでしょうか。
学校の友達とも違う、先生や先輩とお話をするだけでも刺激にはなるかと思います。
どうしても塾に行きたくない・辞めたいというときはどうしたらいい?
これまでに挙げた理由で塾を辞めたい人も、今の塾にもやもやを持っている人も考えてほしいのが、「塾を辞めたそのあとはどうするのか」ということです。
無計画に塾を辞めるわけにはいきません。
- 他の塾を探すのか
- 通信教育などに切り替えるのか
- それとも市販教材で完全に自分だけで勉強していくのか…
こういった事を細かく考えていく必要がありますよ。
この項目では、これからのことを考えるヒントをご紹介していきます。
塾に通う目的を明確にしよう
まずは、塾に通う目的明確にしましょう。
志望校合格のため?
学習習慣の定着のため?
定期テストで良い点を取るため?
これらの目的が達成されるのには、必ずしも塾が必要ではありません。
自分でこれらをかなえられるのなら塾なんていらないのです。
本当に塾を辞めたいのなら、「自分一人でもやっていける」という根拠を親に示す必要があります。
ただ「辞めたい」というだけではわがままです。
自分が考えていることをありのまま話してみよう
「塾を辞めて自分で勉強を進めていきたい」とか、「今の塾とは合わないから違う塾にしてほしい」なんて考えている人は、そのことを正直に親に伝えてみるが良いですよ。
塾と話し合って、講師や通う頻度の調整をしてくれるかもしれません。
いずれにせよ事情を話さずにただ「塾を辞めたい」というのは、わがままに捉えられてしまう可能性が高いです。
どうしても塾に行きたくないのなら、代替案を考えよう
そして、塾を辞めたらもう勉強をしなくていいというわけではありませんよね。
受験は刻一刻と迫ってきます。
これまで塾に通っていた人が急に塾を辞めてしまうと…勉強もぱったりとやらなくなってしまう人が多いんです。
これでは志望校合格が遠のくばかりです…
もし塾を辞める・行かない選択をするのなら、今後どのように勉強していくつもりなのかをきちんと親に伝えましょう。
例えば…
- 進研ゼミなどの通信教育
- スタディサプリなどの動画サービス
- 市販教材
- 家庭教師をつける
などなど、塾に通わずに勉強を進める方法はいくらでもあります。
「どのサービスを使うか」だけでなく、「自分がどのように勉強していくか」を考えることが大切。
一日の勉強スケジュールを作ったり、次回のテストの目標点を書き出したり…
塾に行かないということは、自分で自分をコントロールしないといけないということです。
塾に行きたくない・辞めたいという理由に心当たりはありましたか?
- 塾に行きたくない・辞めたいと言う理由は様々
- 自分の勉強効率を考えてのことかもしれないし、家庭の事情を気にしているのかもしれない
- もちろんただサボりたいだけの場合もある
- 塾に通う目的を明確にし、しっかり話し合おう
今回は「塾に行きたくない・辞めたい」と言う生徒のパターンを挙げてきましたが、当てはまるタイプはありましたか?
わがままで「塾に行きたくない」という人もいるけど、きちんと自分で考えた上で「塾に行かない」という結論を出す生徒も多いんですよ。
生徒も案外、いろいろなことを考えています。
とは言っても勉強を辞めるわけにはいきません。
自分で市販教材で勉強するなり、利用するサービスを変えるなりする必要がありますね。
その子にとって無理のない勉強の方法を考えてあげないといけません。
今は塾に行かなくても、家でプロ講師の授業を受けられる時代です。
月額2,178円のスタディサプリは、私の生徒も塾のサポートとして利用している人が多いですよ。
使い方によってはスタディサプリだけで受験に挑むことも可能です。
無料のお試し期間があるので、まずは使い心地を確かめてみると良いですよ。
もしスタディサプリだけで勉強していけそうなら、具体的な学習計画と一緒に親御さんにプレゼンしてみましょう。
小・中学生はこちら
高校生・大学受験生はこちら
また、今はインターネット家庭教師というサービスも主流になりつつあるんですよ。
おすすめはNetty(ネッティー)という会社。
こちらの記事ではインターネット家庭教師について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
このように、勉強の仕方は塾に通うだけではありません。
いろんな勉強の方法を知ることで、選択肢を広げていきましょう。
でもくれぐれも、計画を立てただけ・サービスを使い始めただけで満足しないで下さいね。
これらは勉強のための手段でしかありません。
これらは自分の勉強をうまく進めるためのツールとして、賢く使っていきましょう!