2月下旬の都立一般入試に先立って、1月下旬に都立推薦入試がありますね。
推薦は「受かったらラッキー」というくらいの高倍率。
なので推薦合格はあてにせず、一般入試に向かってしっかり勉強していってほしいのですが…
それでも推薦入試は全員がチャレンジするべき入試と言えます。
この記事では都立高校の推薦入試の仕組みやポイント、そして合格のための対策方法を整理していきます。
高校受験生やその保護者の方は、ぜひこれでもかというくらい読み込んでください。
まずは都立推薦入試の仕組みを知ろう
ではまず、都立推薦入試についての情報を整理していきましょう。
都立高校推薦入試の種類
都立高校の推薦入試の種類と、当日の試験は以下の通りです。
- 一般推薦:個人面接が必須。他に集団討論、小論文 or 作文、実技検査、その他学校が設定する検査が課される場合もある。
- 小論文または作文が課されることが多い。
- 文化・スポーツ等特別推薦:面接(個人 or 集団)、実技検査が必須。
- 理数等特別推薦:レポートについての口頭試問、個人面接、小論文が必須。
またこれら全てに共通しているのは、調査書も点数化されるということを覚えておきましょう。
都立高校推薦入試の内容と配点
配点は受験する高校によって異なるのですが、一般推薦の場合、
- 調査書 50%
- 面接・集団討論 25%
- 小論文 25%
こんな感じの割合が多いです。
見て分かる通り、ほとんど調査書で決まってしまうと言っても過言ではありません。
調査書とはいわゆる通知表。
つまり、定期テストの得点が調査書点を左右します。
都立高校推薦入試であれば3年生のはじめ~11月くらいまでの成績が調査書に載る場合がほとんどです。
まだ定期テストが残っている人は、残りの定期テストを全力で取り組んでくださいね!
調査書の点数をアップさせるための具体的な方法は後ほどゆっくり説明していきます。
そもそも都立推薦入試は受けるべきなの?
断言します、絶対に受けるべきです!
合格のチャンスが広がるだけでなく、今後の勉強のモチベーションにも影響してしまいます。
こういう風に考えてしまうのも分かります。
でもはじめから推薦入試を捨ててしまったら…
一般入試だけの一発勝負となってしまいます。
推薦で一度不合格を貰っている人と、人生で一度も不合格を貰ったことがない人、死に物狂いで頑張れるのはどちらだと思いますか?
詳しい内容はこちらの記事で解説していますので、併せてご覧くださいね。
都立推薦入試で合格するのってどんな人?
簡単に言うと、高校が公表している「求める生徒像」に近い生徒が推薦で合格しやすいです。
たとえば…
高校側が「リーダーシップをとれる人」を探しているのに対して、「内気でしゃべるのが苦手は人」は合格は難しいです。
こんな風に都立推薦入試では、学力以外の能力や考え方・性格も含めて判断されます。
また中学時代どんなことを頑張ってきたかも重要です。
勉強だけでなく、学校内の行事に積極的に参加していたかどうかなども見られます。
やはり、部長、委員長、生徒会は強いです。
高校によって求める生徒像はいろいろありますが、実はある程度推薦入試で合格しやすい子の特徴というのは存在します。
詳しくはこちらの記事にまとめています↓
内申点が足りなくても推薦入試で合格できる?
実際私が指導している生徒でも、内申点が合格基準に足りなかったにも関わらず推薦で合格している子は沢山います!
内申点が足りないからと諦めないで、ぜひ出願してほしいですね。
たとえ合格できなくても、一般入試に向けての気持ち作りの助けになります。
どんな子が内申基準をひっくり返して合格したのかは下の記事にまとめました。
都立高校推薦入試はいつ行われる?
毎年1月下旬に試験が行われて、2月の上旬に合格発表があります。
今年度の詳しい試験日程はこちらの記事をご覧ください。
都立推薦入試の具体的な対策方法は?
では都立推薦入試に向けてどのような対策をしていけばいいのでしょうか?
いろんな要素がありますが、それぞれ詳しく説明していきますね。
通知表をアップさせる!
内申点=通知表は推薦入試の得点の大部分を占めるので、まず第一に内申アップを目指しましょう。
東京都では1・2年生の通知表は使われないので、今まで通知表が悪かった人でも挽回することはできますよ。
先ほども書きましたが、何より定期テストの点数をアップさせることが重要です!
今までの何倍もの時間をかけて対策しましょう。
特に対策を強化してほしいのが、音楽・美術・技術家庭・体育の実技科目。
この4科目は換算内申点を出す際に2倍で計算されるので、とても大切なんですよ。
言い換えれば、国・数・英・社・理の5科目で内申を2アップさせるのと、実技科目で1アップさせるのが同じってこと。
今まで実技科目の定期テストを軽視していた人は要注意!
3年生からは全力で取り組みましょうね!
自己PRカードの対策
推薦入試では出願書類と一緒に自己PRカードを提出しますね。
自己PRカード自体は推薦入試の時に点数化はされませんが、面接を行う際の材料として重要視されますよ。
自己PRカードの役割は以下の通り。
- 面接の際の参考資料
- 面接官があらかじめどんな生徒が来るのか把握しておく
- その生徒の意思の将来設計や価値観を知る
このように、自己PRカードで書いた内容によって面接での質問が変わったり、第一印象を左右する可能性だってあります。
なので自己PRカードも面接の一部だと思っておいた方がいいです。
また、面接官は自己PRカードを見ながら面接を進めるので、面接で言う内容と矛盾が生じないように作る必要があります。
高校の先生は多くの自己PRカードを見るので「見やすい」・「言いたいことが伝わりやすい」ことが大切です。
ありきたりで見づらい自己PRカードは読み流されてしまう可能性があります。
面接の対策
こんな定番の質問は多いですが…
それに対して平凡な答えをしてしまっては面接官の心に残りません。
大切なことは「自分を表現すること」。
インパクトを狙ってエピソードをねつ造する必要はありませんが、いかにも平凡でよくある返答はなるべく避けましょう。
面接のルール、マナー本は数多く出版されていますが、高校入試でしたら細かいところまで観察されませんよ。
相手に失礼にならないように、最低限の身だしなみ、振る舞いが出来ていれば大丈夫です。
動作の事を気にしすぎてカチカチになるよりも、リラックスをしてどのように受け答えをするかに神経を使った方がいいです。
さらにおまけとして…
どうしても面接で言うことが思い浮かばない時の例文集を作りました。
こちらはちょっとネタ要素がありますので、お時間のある方だけ読んでみてください。
集団討論の対策
最近になって導入された、受験生が最も苦手とする集団討論。
集団討論は得意な人と不得意な人の差が如実に表れてしまうんですよね…。
実は集団討論が上手な生徒は合格しやすい傾向にあります。
具体的な対策としては、普段から自分の意見を言うようにするといいですよ。
自分の意見を持っておらず、人に合わせているだけだと面接官にはすぐに分かってしまいます。
冷静で控えめな自己主張をして、そして不満だけでなく解決策まで提示できると素晴らしいです。
その他の注意事項やポイントなどは、こちらの記事まとめています。
小論文・作文の対策
小論文や作文が苦手!って人、多いんですよね…
これらは一朝一夕で身に付くスキルではないので、長い時間をかけて伸ばしていく必要があります。
このような専用の書籍を購入して、書き方の基本から勉強していくのがおすすめです。
小論文の書き方についてはこのサイトでも何記事にも渡ってご紹介しています。
まとめた記事がこちらになりますので、ぜひ参考にしてみてください。
都立高校推薦入試の過去問はあるの?
東京都教育委員会のHPで、過去の推薦入試で出題された集団討論のテーマと作文・小論文のテーマが掲載されています。
前年度分の出題内容はこちらです↓
こちらの過去問を参考に練習をして、学校や塾の先生にチェックしてもらうといいですよ。
推薦入試対策と一般入試対策の両立はどうしたらいい?
こんな風に考えている人も多いですが…
むしろ推薦対策が一般入試対策になることもあるんです。
その理由を説明していきますね。
作文・小論文対策は一般入試国語の対策にもなる
続いて作文・小論文対策。
これの練習は意外と時間を使いますし、誰かに添削してもらわないといけないので結構大変ですよね。
しかし、都立一般入試にも作文が存在するのは知っていますか?
国語の第4問に200字作文があり、配点は10点と高め。
テーマはだいたい「自信の体験をもとに意見を述べよ」など、推薦入試の作文のテーマと類似しているもの。
なので、推薦入試対策をすることで一般入試対策にもなるんですよね。
集団討論は限られた時間の中で多くを学び、本番に生かす
一番厄介なのが集団討論。
一人では練習できませんし、学校や塾などで開催される練習会に参加する必要があります。
こんな風に考える人もいるかもしれませんが…
実は生徒同士での集団討論の練習はおすすめしません。
学校や塾で開催される練習会には積極的に参加し、その限られた時間の中で改善点を探っていくようにしましょう!
そうすれば一般入試に向けた勉強の時間が大幅に削れるってことはありませんよね。
ちゃんと推薦対策と一般対策が両立できるはずです。
自己PRカードは全員が提出する
推薦入試を受けない人も結局は自己PRカードを提出することをご存知でしたか?
自己PRカードを出すタイミングは以下の3パターン。
【推薦入試の場合】
出願時に提出
【一般入試で面接がある場合】
一般入試の出願時に提出
【一般入試で面接がない場合】
合格してから、他の書類とともに提出
なので推薦入試で合格できなくても、一般で同じ高校を受けるのであれば自己PRカードの内容は使いまわせるってことです。
どうせ自己PRカードは出すことになるので先に内容を作ってしまっても良いのではないでしょうか。
都立高校推薦入試の仕組みを理解して、効率よく対策をしていこう
- 都立推薦入試は絶対に受けるべき!
- まずは内申書=通知表を上げることが何より大切
- 自己PRカード・集団討論・小論文もしっかり対策しよう
- 塾や学校の先生の指示に従って、正しい方法で対策をしよう
今回は都立推薦入試で合格するためのポイントや仕組みについて解説をしていきました。
「都立推薦入試は落ちて当たり前」と言いますが、対策できることは沢山あります。
”自分に合格は無理”なんて思わないでください。
内申点が足りなくても合格できた事例は沢山ありますし、面接や小論文も対策すればするだけ上達します。
できることをやりきって、悔いのない受験を!