都立推薦入試を受ける際に必ず提出する《自己PRカード》。
内容についてももちろん慎重に考えないといけませんが、基本的な書き方が分からず困ってしまう人も多いです。
都立推薦入試ではこの自己PRカードをもとに選考を行うので、気合を入れて仕上げないといけませんよね。
というわけで今回は、都立高校推薦入試のための自己PRカードの書き方と例文を紹介していきます。
今回の内容は動画でも解説しています。
こちらの記事とは少し違った切り口からも解説しているので、ぜひご覧ください。
都立推薦入試の「自己PRカード」とは?
実際に自己PRカードを書いていく前に、まずは自己PRカードとはどんなものなのかを知りましょう。
どんな形式なのか、そしてどんな風に使われるのかが分かれば、おのずと書き方の戦略が見えてきますね。
自己PRカードはどのように使われる?
東京都教育委員ホームページによると、以下のように記載されています。
推薦入試での個人面接や第一次募集・分割前期募集などの面接の際の資料として活用します。また、 自己PRカードは点数化しませんが、総合成績が同点となった場合に順位を定めるための資料の一つとして活用することがあります。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/exam/files/guide2019/12.pdf
自己PRカードが直接得点化されるわけではないというのはびっくりですよね。
しかし自己PRカードをもとに面接が行われますので、自己カードも面接のうちとも考えられます。
なので得点化されないからと軽視することはせず、しっかり内容を練る必要がありますね。
自己PRカードに書く内容
では実際、自己PRカードにはどんな内容を書くのでしょうか?
ざっくりまとめるとこんな感じです。
- 志望理由について
- 中学校生活の中で得たことについて
- 高等学校卒業後の進路について
自己PRカードに書く項目ってシンプルなんですよね。
それゆえに何を書けばいいのか、何を書いたら人と差をつけられるのかが難しいです。
しかしここでしっかり差別化できれば、面接も有利な状態で挑めますよ。
自己PRカードのダウンロードはこちら
自己PRカードは東京都教育委員会のHPからダウンロードできます。
もし使い方に不安があったら、必ず担任の先生に相談してくださいね。
自己PRカードの基本の書き方《Q&Aで解説》
ここでは自己PRカードの細かい書き方のポイントなどを説明していきますね。
よく質問される項目についてQ&A方式で解説していきます。
下書きはするべき?
下書きは絶対にするべきです!
理想的な書き方は、
- 定規で枠の中にシャープペンシルで線を引く
- その線をガイドにシャープペンシルで下書き
- ボールペンでなぞる
- 下書きを消す
という方法です。
定規でラインを引くことによってバランスがとりやすくなります。
ですます調?である調?
自己PRカードは「ですます調」で書きます。
自分の想いを相手方に伝えるためのものですからね。
である調で書くのは小論文のみです。
誤字をしてしまった。修正ペンは使っていい?
結果から言うと、修正ペンを使うのはNGです。
これは公式ルールなので必ず覚えておきましょう。
こんな人のために、自己PRカードの修正方法をいくつか紹介していきますね。
修正方法① 二重線を引いてその上に訂正印を押す
定規で二重線を引いてその上に訂正印を押す修正方法は、重要な書類を訂正するときの正しいやり方です。
都立推薦入試の自己PRカードは公的な書類ではありませんから、本当はここまでする必要はありません。
しかし学校の先生はきちんと訂正印を押すように指導していることが多いです。
きちんとしておくに越したことはありませんからね。
修正方法② コピーを提出する
自己PRカードそのものにも書いてあるのですが、実はコピーしたものを提出しても大丈夫なんです。
修正ペンなどを使ったとしてもそれをコピーしたもの提出すれば、修正の跡がないきれいな自己PRカードが出来上がりますね。
この方法が一番手っ取り早いのでオススメです。
修正方法③ 新しい用紙に書き直す
一番確実な方法は、新しい自己PRカードに書き直すことです。
普通は学校の先生に余っている自己PRカードをもらいに行くことが多いですね。
しかし学校に取りに行けない場合や、担任の先生が余りの自己PRカードを持っていない場合もあります。
そういう場合は自分で印刷してもOK。
こちらに置いてあるダウンロードリンクから印刷してください。
ただし紙質には少しだけ注意が必要。
ご家庭にあるコピー用紙だと薄すぎる場合があります。
コンビニのプリンターに備え付けてある紙くらいの厚さがあれば問題ないですよ。
消せるボールペンは使っていい?
自己PRカードに消せるボールペンは絶対にNGです!
自己PRカードだけでなく、相手方に提出する書類は消せるボールペンは使ってはいけません。
多少嘘をついても大丈夫?
こんな風に考えていませんか?
これはとっても危険なことです!
自己PRカードを書くときは時間制限なんてありませんし、何回も何回も書き直すことができますよね。
そうしているうちに面接官に好かれそうな内容を自然と選んでしまうかもしれません。
でも本番の面接ではそうではありません。
緊張状態にあることから「設定」を忘れ、自己PRカードに書いた内容と明らかに矛盾した真実を言ってしまう可能性もあります。
そうなると面接官は不審に思ってしまいますね。
また部活や委員会の活動など、調べれば嘘とバレてしまう項目もあります。
こういう場では「話を多少盛る」のはアリでも、「嘘をつく」ことは絶対にダメです。
普通は何行で書く?
生徒の書いたものを見る限り、自己PRカードは1項目あたり7~8行で書くのが相場のようです。
文字の大きさによっては6行や9行でも大丈夫な場合もありますよ。
どんな文字を書くのかによっても適切な行数が変わってくるかと思いますので、全体のバランスを見て決めたいですね。
もちろんスカスカに見える量よりもぎっしり詰まっている方が印象は良いです。
しかし自己PRカードで一番大切なのは行数や文字数ではなく ”いかに濃い内容を書くか“だということを忘れないでくださいね。
自己PRカードの内容はどう書く?考え方と例文
ここでは自己PRカードに書く内容が思い浮かばない!という人に向けて考え方のヒントと、例文をちょっとだけ紹介していきます。
【1】志望理由について
志望理由が書けないって人、生徒にもよくいるんです。
こういう人は高校のパンフレットからその学校の良いところを抜き出して書いてしまうんですが、これはあまりいい方法ではありません。
ありきたりな、学校のパンフレットを切り貼りしたような内容では周りの受験生と差別化を図ることはできませんよ。
このことはこちらの記事でも解説しています↓
まずなぜあなたがその学校を選んだのか、率直に書き出してみましょう。
人に見せるためではないので正直に書いてOK。
たとえば…
- 家から近いから
- 部活に入ることが強制じゃないから
- 制服がかわいいから
などなど…
その学校を受けようと決めた理由は必ずあるはずです。
今度はそれを人に読ませられるような文章を変換していきましょう。
- 家から近いから → 交通の便がよく、勉強や部活により時間を割けると感じたから。
- 部活に入ることが強制じゃないから → 難関大合格を目指しているため、勉強に専念できる環境だと感じたから。
- 制服がかわいいから → 学校公開に訪れた際、先輩方が輝いて見えたから
どうでしょう、少しはまともな理由に見えてきましたよね?笑
全てこの方法で書くわけにいきませんが、こういった志望理由の書き方もアリってことを覚えておいてください。
こちらの記事ではこのような、人に読ませられない志望理由なんかをまともな文に変換させる例をまとめています。
また志望理由について詳しくはこちらの記事で解説しています。
【2】中学校生活の中で得たことについて
自己PRカードの2番目の項目は、「中学校生活で得たことについて」。
これが書けなくて困っている人は多いのではないかと思います。
これ、私も現役の時に困りました。
文化部でゆるゆると活動(ほとんど遊び)をしている部活でしたし、生徒会や実行委員もやったことがありませんでした。
それでも自己PRカードに書けることはたくさんあるんですよ。
たとえば私の場合は「勉強」。
勉強だけは人一倍していたので、自信はあります。(これは調査書でも裏付けされていればドンと推せますね。)
【例】
私が中学校生活で一番力を入れたのは勉強です。
家族も友人も私がたくさん勉強できるように協力してくれたので、それに応えるべく…
なんて書き方もできます。
また、たいした活動をしていなくても部活のことも書いていいと思います。
ほとんど遊んでた…なんて書けませんから、これもいいところをピックアップして書きましょう。
例えばこんな感じになります↓
【例】
私は部活を通じて、人は価値観や考え方が異なり、違うからこそ素晴らしいということを学びました。
…
などなど。
皆何かしら頑張ったことはあると思いますので、それをうまく文章にしてアピールしていきましょう。
また部活について取り上げたい人は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
例文つきでポイントを紹介しています。
【3】高等学校卒業後の進路について
「将来の夢がない…」って悩んでいる人も多いですね。
しかしそんな人でも、将来やりたくないことやなんとなくの方向性が見えている場合もあると思います。
例えば…
- 安定してるし他に夢もないから公務員とかかな?
- 営業とか絶対に向いていないから一日中パソコン作業をしていたい
- 洋服が好きだし、ショップ店員とかそんな感じかなあ…
などなど。
とにかく自分の興味のある分野、こんな方向性かな?という職業について調べてみましょう。
職業について調べてみたら、どうしたらその職業に就くことができるかを調べます。
公務員になるなら、公務員試験に合格しなくてはいけません。
パソコンの仕事ならプログラミングができると有利。
アパレルショップで働くならバイトでもできるけど、良い会社で正社員として働くなら流通や繊維のことについて深く知っておいたほうがいいかも…
こんな感じで将来の夢を一つ定めると、それまでの具体的な道筋や目指すべき進路が見えてきますね。
なにも「今すぐに将来の夢を決定しろ」というわけではありません。
今後将来の夢が変わるのは全く問題ありませんよ。
自己PRカードに必要なのは「自分の夢に対してどれほど真剣に調べたり考えたりしているか」、また「その夢の実現のためにどれほど頑張っているか」です。
自己PRカードについての細かな注意事項
ここではどうしてもお伝えしておきたい、自己PRカードについての注意事項をお話ししていきますね。
コピーは必ず取っておこう
完成した自己PRカードのコピーは必ず取っておきましょう!
先ほども書いたとおり、都立推薦入試では自己PRカードを参考にして面接を行います。
もし自己PRカードに書いてある内容と面接での受け答えに矛盾が生じてしまったら大問題!
面接で「将来の夢」や「高校生になったら頑張りたいこと」を聞かれたとき、自己PRカードと違うことを言ってしまうと…
「結局何がしたいんだ?」と思われてしまいますよね。
こういったことを防ぐためにもしっかりコピーを取っておいて、面接では自己PRカードに書いてあることをベースに話すようにしましょう。
添削されすぎるのは危険
自己PRカードを書く際、親や学校の先生、塾の先生に添削してもらうことが多いかと思います。
そんなときに気を付けたいのが、添削をされすぎてしまうこと。
中学生とは思えない大人すぎる文章になってしまうと、「本当に自分で書いたのかな?」と疑われてしまいます。
もちろんきれいな文章で提出することは大切ですが…
自分ではない他の大人の文章だと思われてしまうのは逆効果です。
面接で話していると意外と分かってしまうものですよ。
都立推薦入試を突破するために自己PRカードはしっかり作り込もう
- 自己PRカードの書き方の最低限のルールを知っておこう。
- 添削のされすぎで自分のものではない自己PRが出来上がってしまうことに注意。
- 面接で言う内容と矛盾が生じないように!
- 「志望理由がない」ってことはないはず。ネガティブワードもうまく言い換えよう。
今回は都立高校の推薦入試で使う自己PRカードの書き方について解説をしていきました。
文章を書くのに慣れていないと大変に感じるかもしれませんが、いくらでも書きようがあるってことが伝わりましたでしょうか?
自分だけで悩まずに、家族や友人に相談をすることで新しい発見があるかもしれませんよ。
自己PRカードは推薦入試合格のための最初の一歩です。
ぜひ頑張って取り組んでください!
都立高校推薦入試の全体像についてはこちらの記事でまとめています。
併せてご覧ください。
とは言っても…
受験本番はあくまでも一般入試。
推薦入試対策で手一杯になってしまうのも無理はないですが、一般入試対策を同時にしていかないと大変なことになってしまいます。
塾に通っているだけで満足するのではなく、家庭学習をいかに充実させるかが大切ですよ。
でも…
って人もいるかと思います。
市販のテキストで勉強していても丁寧に解説が書かれていないことが多いですしね…。
最近塾でも「スタディサプリ」を使っている生徒が増えています。
映像授業が見放題で2,178円~と格安なので、塾の宿題が終わってしまったらスタディサプリを見て自習をしているそうです。
映像授業も順番通りに見ないといけないわけではないので苦手なところを中心に動画で勉強しています。
(暇な講師に聞いてくれればいいのに…。)
塾の授業料に比べるとかなり安いので、塾の補強として使っている人が多いですね。
講師としては何を使ってもいいから、しっかり勉強してほしい!
特に入試が近づいてくると、ハイレベルな問題は自分の力だけでは進められないことも多いです。
入試までの限られた時間を有効活用するためにも、スタディサプリのようなサービスは積極的に利用していきたいですね。
とは言っても人によって合う・合わないがありますので、14日間の無料体験期間で使い心地をじっくり試してみると良いですよ。
気に入らなかったら無料体験期間中に退会手続きをすればOKです。
ここまで格安で使い勝手のいいサービスはないので、一度試してみるのをおすすめします。
入試本番まであと少し、今からできることを着実に行ってくださいね!
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