模試の結果帳票が返ってきたらすぐさま《志望校判定》をチェックするという人も多いのではないでしょうか。
むしろこのためだけに模試を受けるという人も多いくらい、志望校判定というのは重要な項目です。
でも…
「志望校判定ってそもそもどうやって決めてるの?」
「どれくらい信用して良いの?」
って生徒に聞かれることも多いんですよね。
今回は模試の判定基準の割り出し方を解説していきます。
また志望校判定の受け止め方についても解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
模試の判定基準とは?どうやって志望校判定を割り出している?
模試の会社ではどうやって、判定基準を出しているのでしょうか?
まずは仕組みを知っておきましょう。
模試の判定基準
模試の志望校判定では、合格可能性をこのように定義しています。
- A判定 = 80%以上
- B判定 = 60%
- C判定 = 50%
- D判定 = 30%
- E判定 = 20%以下
模試を運営する会社によって多少変わりますが、だいたいこんな感じの合格可能性になっています。
志望校判定はどうやって出している?
じゃあどうやって、この合格可能性を算出しているのでしょうか?
実はこの志望校判定は、あなたの偏差値と昨年の受験生の偏差値もとに算出しているんです。
こんな感じで決めていきますよ。
(もちろんおじさん一人の匙加減ではなく、膨大なデータを解析して算出していますよ、念のため。)
ということは…
模試の志望校判定というのは、「過去の模試の受験生と比較した傾向」なんです。
会社によって大学の基準偏差値の表記が違うのもこのせい。
今年の受験生とではなく過去の受験生と比べているということだけ覚えておいてくださいね。
模試の判定って信頼できるの?
こんな疑問も出てきますよね。
模試の会社は膨大なデータから割り出しているので、この数値が全く信用できないという訳ではありません。
でもお気づきの通り、模試の志望校判定はあまり信頼しすぎてはいけないものなんです。
その理由をまとめていきますね。
模試の判定を信頼しすぎてはいけない。その理由は?
模試の志望校判定を信頼しすぎてはいけない理由は…
- 去年の模試とは受験者が違う
- 実際の大学の出願者層なんて分からない
- そもそも入試本番と問題が違う
この3点にまとめられます。
まず「①模試の受験者」について。
その模試を受ける人に賢い人が多ければ、必然的にあなたの偏差値は下がってしまいます。
志望校判定は偏差値で出しているので、判定も下がってしまうことになりますね。
次に、「②実際に大学に出願する人の層」について。
その年によって出願人数も違ければ、滑り止めなのか本命なのかも違いますよね。
どのくらいの学力の人がどのくらい出願するかは、実際に出願が始まらないと分かりません。
ずっとA判定が出ていても、難関校の滑り止めで出願する人が多くて受からなかったって場合も十分あり得ます。
そして最後に「③模試の問題と本番の入試問題が違う」ということについて。
これが模試の結果を信頼してはいけない、最も大きな理由です。
模試の問題と過去問を比べてみてください。
出題傾向はおろか、解答の形式(マーク・記述など)から違うものも多いですよね。
これで志望校の合格可能性を出せる訳がありません。
でもそんなことも言ってられないから、偏差値に換算して合格可能性を出しているわけです。
以上の理由で、模試の判定は「参考程度に」することをおすすめします。
本番と同じ出題形式の模試の判定は比較的信頼できる
ただし模試の種類によっては、比較的信頼しても良いものもありますよ。
例えば「共通テストプレ」や「公立高校そっくり模試」。
入試直前期で受験者も多いです。
そして何より、問題が本番と同じ形式であるということが大きいですね。
さすがにこれで私大の個別入試までは測れませんが、「共通テスト利用入試」の分の志望校判定はある程度信頼できます。
同じ理由で「大学別模試」についてもある程度信頼して良いと言えます。
その大学を受ける人だけを比べて合格可能性を算出するので、順位なども参考になりますよ。
本番と同じ形式の問題を実施し、それに対して学習アドバイスもくれます。
その大学を受験するのならば必ず受けておきたいですね。
模試の判定はどう受け止めるべき?
模試の判定はあまり信頼しすぎてはいけないとは言え…
合理的な計算式に基づいた現段階での評価であることには違いありません。
受験生はこの志望校判定をどのように受け止めたらいいのでしょうか?
A判定・B判定でも油断していると落ちる
まずはこれ。
いくら模試でA判定・B判定が出ていても、不合格になってしまう人は一定数います。
その原因はいろいろ考えられますが…
- 出題傾向に沿った対策をしなかった
- 油断して勉強時間が減った
- ライバルに抜かされた
こういった事には注意です。
先ほども書きましたが、模試は本番の出題傾向・形式に沿っているわけではありません。
いくら模試で得点できたって、本番で得点できなければ意味がないんです。
過去問を研究して、勉強計画を微調整して、とにかく勉強をし続ける。
油断せず、やるべきことをしっかりやらないといけません。
D判定・E判定からの合格は難しいけど…時期によっては逆転合格も狙える
直前期のD判定・E判定だと痛いですが…
夏前の判定は覆せることも多いです。
また過去問を参考にして学習計画を立てたり、その大学の入試問題に特化して練習することで逆転も狙えますよ。
逆転合格を目指すのですから他の人よりも頑張る必要があります。
でも正しい方法で勉強すれば、十分逆転は可能ですよ。
模試の判定よりももっと大切なこと
ここで念を押しておきたいのは…
「模試を受けるのは志望校判定のためだけじゃない」ということ!
模試は今の実力を測るツールであり、これからの勉強の指針となるものです。
なので模試の結果を活かさない手はありません。
偏差値や志望校判定は信頼できなくても、間違えた問題や不得意科目などの項目は嘘をつきません。
必ず模試を受けるごとに反省して、これからの勉強に反映していってほしいのです。
模試の結果帳票から勉強計画を立てる方法はこちらの記事でも解説をしています。
また模試を受けた後に見直しをしないって人もいるのですが…
絶対に復習はするべきです。
今まで模試の復習をおろそかにしていたという人は、こちらの記事を参考に必ず取り組むようにしてください↓
模試の志望校判定は参考程度に。これからの勉強を見つめ直すために模試を活用しよう
- 模試の志望校判定は過去のデータをもとに算出している
- 本番と問題が違うことがほとんどなので、あまり信用しすぎてはいけない
- ただ、「公立高校そっくり模試」や「大学別模試」なんかは比較的信頼できる
- 模試は判定ではなく、これからの勉強を改善していくことが大切
- 判定にとらわれず、自分のやるべきことを淡々と積み上げていこう
今回は模試の志望校判定の基準と、判定の捉え方についてまとめていきました。
模試の判定がどうであろうと、落ちる時は落ちるし、受かる時は受かります。
そもそも問題形式が違うので測りようがないというのもありますが…
これからの勉強の仕方によって覆すこともできるし、入試当日の体調などにも影響する。
確実なことは誰にも分からないということです。
ということは、模試の結果で一喜一憂するだけ無駄!
そんな暇があるのならやるべきことを淡々とやりましょう!
それが合格への近道なのですから。
この記事があなたの受験勉強のお役に立ったなら幸いです。