あまり考えたくないことですが…
第一志望校が残念だった人は浪人するかどうかという決断を迫られることになります。
この決断を合格発表の時に行うのはなかなか酷なものです。
なのでなるべく早い段階から「第一志望校に落ちてしまったらどうするのか」ということを考えておくことをオススメします。
というわけで今回は浪人のメリット・デメリットについて解説していきます。
ここでは一般的に言われていることをお伝えしていきますが、どれをメリット・デメリットと捉えるかは人それぞれ。
ぜひ「自分の場合はどうかな?」と考えてみてくださいね。
浪人するメリット
まずは浪人することのメリットをまとめていきますね。
ちょっと多くなるので項目ごとに整理しました。
浪人のメリット① -志望大学について-
まずは自分が通う大学について、浪人することのメリットはこんな感じです↓
- 志望校に再チャレンジできる
- 浪人前提なら併願校も最低限で済む
それぞれ詳しく解説していきます。
志望校に再チャレンジできる
浪人のメリットは何と言ってもこれですね。
一度ダメだった志望校に再チャレンジすることができます。
あくまで「再チャレンジ」であって合格できるかは別ですが、目的意識の強い人にとってはこの上ないメリットと言えるでしょう。
浪人前提なら併願校も最低限で済む
また「第一志望校がダメだったら浪人する」という覚悟ができている場合、その他の滑り止め校についてはたくさん受ける必要がないんですよね。
受かってもどうせ進学しない大学なのですから。
受験校を減らせばお金も節約できますし、志望度の高い大学の対策だけすればいいので力を分散させずに済みます。
浪人のメリット② -浪人中の勉強・生活について-
次に浪人中の勉強や生活についてのメリットです。
- 時間をすべて受験勉強に費やせる
- 経験値のある状態で本番に臨める
浪人生活は大変ではありますが、現役生よりも有利に本番を迎えられることが多いですよ。
時間をすべて受験勉強に費やせる
浪人生の強みは、1日のすべてを勉強に費やせるということ。
現役生は学校で受験向きでない授業も受ける必要がありますし、学校行事や部活なんかもありますからね。
1年間しっかりと勉強漬けの生活を送ることができれば、とても大きく成長できます。
経験値のある状態で本番に臨める
浪人生は現役時代に一度受験を経験しているので、現役生よりも経験値のある状態で入試に臨むことができます。
これは本番の緊張度合いにもかかわってきますし、現役の時の失敗を繰り返さないように気を付けることも可能です。
また日々の勉強に関しても同じことが言えます。
一度入試本番まで走り切った受験生は、勉強するべきことの全体像が分かっているので勉強計画の精度も上がってくるんですよね。
同じ1年という時間でも、浪人生はより濃い勉強をしていけるはずです。
浪人のメリット③ -志望大学に進学してから-
見事第一志望の大学に受かっても「浪人していたことで大学生活を楽しめないのでは」と考えている人もいるかもしれません。
でも浪人したからこそ享受できることもあるんですよ。
- 大学での勉強に対して意欲的になれる
- 先輩から好かれやすい
大学での勉強に対して意欲的になれる
1年間もその大学を目指して勉強していたのですから、入学した途端に遊び惚けるということはないでしょう。
せっかく努力をして目標を達成したのですから、自分のやりたい勉強に誰よりも積極的になれるはずです。
先輩から好かれやすい
同学年の人よりも先輩との年齢が近い分、先輩と価値観が合いやすいようです。
学年は違くても年齢が同じというのは親近感がわきますよね。
浪人のメリット④ -就職・将来について-
次に就活のことや浪人生活が与えてくれる一生もののスキルに関して。
- 就活の情報を得やすい
- あまり人がしない経験を得られる
- 精神的に強くなれる
- 自己管理能力が高まる
就活の情報を得やすい
高校までの同級生は自分よりも早く就活を行うことになります。
なので活きた就活情報が入って来やすいんですよね。
また先ほど挙げた「先輩に好かれやすい」というメリットもここで活きてきます。
あまり人がしない経験を得られる
浪人を経験する人は少数派。
人とは違う経験をすることは大きな武器となります。
就活の面接でも人とは違った目線で話すことができますからね。
精神的に強くなれる
浪人生は1年間を勉強だけに捧げるわけですから、よほどの覚悟がないとやっていけません。
浪人生活中もつらいことはたくさんあるかと思います…。
しかしこのつらい生活を乗り切っていければ、志望大学に入学できるときには一回りも二回りも大きく成長できているはず。
精神的にもたくましくなっていることでしょう。
自己管理能力が高まる
そして浪人中は誘惑との闘いにもなります。
現役生と違って必ず受けないといけない授業はないし、寝る時間も起きる時間も自由に設定できます。
自分の裁量で決定しないといけない部分が多いので、必然的に自己管理能力も高まるんですよね。
自己管理能力は一生使えるスキルです。
浪人するデメリット
では次に、浪人することのデメリットを挙げていきます。
先ほどと同じように項目別に分けて書いていきますね。
浪人のデメリット① -志望大学について-
浪人に希望を持っている人も多いかもしれませんが、こんなデメリットもあるということを覚えておきましょう。
- 現役で受かった大学に落ちる可能性がある
- 浪人失敗した場合の喪失感
それぞれ詳しく見ていきます。
現役で受かった大学に落ちる可能性がある
このように楽観的に考えている人は注意!
浪人しても現役時代より良い大学に受かるとは限らないということを覚えておきましょう。
浪人中の過ごし方によっては、現役時代に受かった大学にすら落ちてしまうという事態にもなりかねません。
このことをしっかりと理解して日々の勉強に励まないといけませんよ。
浪人失敗した場合の喪失感
あまり考えたくないですが…
もし浪人に失敗してしまった場合は
「1年間を無駄にしてしまった」
「滑り止め校に進学していればよかった」
みたいな後悔の念に押しつぶされてしまうかもしれません。
これも含めて成長と思えるのならば良いのですが、
楽観的に考えすぎて「万が一」のことを考えないのはNGです。
浪人のデメリット② -浪人中の勉強・生活について-
次に浪人中の勉強や生活についてのデメリットです。
- 精神的につらい
- 不健康な生活になってしまう
- お金がかかる
- 思ったように勉強できない可能性も
精神的につらい
こんな風に浪人生の悩みは尽きません。
日々真面目に勉強している人ほど不安に押しつぶされそうになります。
1年間友達と会うのも極力控え、勉強だけに捧げるのですからある意味当然かもしれませんね…。
浪人仲間を見つけて相談し合えると心が楽になるかもしれません。
不健康な生活になってしまう
浪人生は運動する機会がほとんどありません。
現役生のように体育の授業があるわけではないですからね。
意識して運動しようとしない限りは、予備校と家との往復くらいしか身体を動かす機会はありません。
宅浪を選択した人はもっと運動不足になってしまいますので、積極的に運動していきましょう!
お金がかかる
浪人中に塾や予備校に通うとなるとその分お金がかかります。
どのくらいの授業数を受講するかにもよりますが、一般的な予備校では年間100万円程度かかるとも言われています。
お金の負担はそれだけではありませんよ。
もし会社で定年まで働こうとするのなら、浪人していた年数分のお給料がもらえない形になります。
長い目で見ると、浪人をすることで数百万円もの損を出してしまうということです。
思ったように勉強できない可能性も
浪人中の勉強量はもちろん「自分の気持ちの強さ」に依存します。
浪人する前は勉強に全身全霊を捧げるつもりでも、だんだんとやる気がなくなっちゃう人も多いんですよね…。
しかしそれだけではありません。
- 親御さんの協力度
- 家に勉強できる環境があるかどうか
- アルバイトをするかどうか
- メンタルや体調
これらによって自分が思っているように勉強できない場合もあります。
浪人のデメリット③ -志望大学に進学してから-
- 同級生と価値感が合わない
- カミングアウトするべきか悩む
- 大学で友達ができにくい?
同級生と価値感が合わない
大学の同級生は自分よりも年下なこともあり、価値観が合わないと感じる人もいるようです。
そして同級生との違いは年齢だけではありません。
あなたは浪人して入学した身。
対して同級生たちは現役合格した人がほとんどです。
(現役と浪人の割合は学校により差がありますが。)
この辺でも価値観の違いを感じる可能性があります。
カミングアウトするべきか悩む
そもそも大学の友達に浪人したと打ち明けるかどうか悩んでしまう人も多いです。
4年間隠し通す人もいれば、入学早々に打ち明ける人もいるようですね。
これに関しては学校の雰囲気に委ねられるような気もします。
大学で友達ができにくい?
こんな心配もありますよね。
でもこれは浪人しているかどうかよりも、その人自身の性格や特性によるのではないかと思います。
浪人したことに関して負い目を感じている(と分かってしまう)ようだとそりゃあ近寄りがたいですしね…。
なので私としてはこれは「浪人のデメリット」にはならないと考えています。
浪人のデメリット④ -就職・将来について-
最後に就活や将来のことについてのデメリットです。
- 数年遅れて社会に出る
- 面接で浪人について尋ねられることがある
数年遅れて社会に出る
周りの同級生よりも1年遅れて社会に出るということは、先ほど挙げたように就活の情報収集という面ではメリットとなりますが…
やはり周りよりも遅れて社会人になるというのは気になる方もいるようです。
定年までに受け取れるはずだったお給料が1年分減ってしまうということもありますしね。
とはいえ学歴が上がることで将来的に年収が上がる可能性もありますし、その大学に入学できないと得られない資格などもあります。
メリットとデメリットのバランスをどうとるか、よく考えないといけません。
面接で浪人について尋ねられることがある
履歴書に空欄があると、やはり就活の面接で質問されることが多いですね。
でも浪人自体が就職に悪影響を及ぼすというわけではありません。
浪人中どのように過ごしていたのか、そして将来に対する思いなんかをうまく伝えることができればむしろプラスに働く場合もあります。
その人次第、伝え方次第ということですね。
ちなみに私は仮面浪人を経験していたのですが…
就活で特に不利だったとは感じませんでした。
普通の浪人とは少し違うので参考になるかどうか分かりませんが、一応参考記事を張っておきます↓
まとめ:デメリットを受け入れられるなら浪人するべき
- 浪人にはメリットもあればデメリットもある
- しかし何をメリット/デメリットととらえるかはその人次第
- 長期的な目線で考えてみよう
- 浪人すると覚悟を決めたらあとはひたすら勉強するのみ
今回は浪人のメリット・デメリットについて解説していきました。
ちょっと厳しい書き方をしてしまったので嫌な思いをしてしまった人もいるかもしれません。
でも受験は「最悪の状況」まで考えていく必要があります。
「最悪の状況」を想定することで受験に対する心持ちが変わってきますから、ぜひこの機会にメリットもデメリットも含めて浪人について考えてみてくださいね。