推薦入試の中でも最も人気が高いのが指定校推薦。
指定校推薦は99%の確率で合格できると言われています。
これはある意味本当の話ですが、鵜呑みにするのはちょっと注意が必要です。
今回は大学の指定校推薦に落ちる確率と落ちてしまった人の例、そしてもしそうなってしまったらどうしたらいいかをお話ししていきます。
大学の指定校推薦に落ちる人の例。普通は99%の確率で落ちない!
先ほども書いた通り、大学の指定校推薦は99%の確率で合格できます。
しかし本当に「指定校推薦で受かった」という人はそこまで多くないのが現実です。
これはなぜなのでしょうか?
このことを説明するためにはまずは指定校推薦の仕組みをおさらいしましょう。
指定校推薦の選考フローは大雑把に説明するとこんな感じ。
①高校内での選考
②大学で面接・小論文などの試験
実は大学の指定校推薦は、①の校内選考さえクリアすれば、②の大学での試験はほぼほぼ合格できるんです。
合格率が99%と言われているのはこの②の試験。
①の校内選考に関してはまた別となります。
この事をしっかり理解して、早速大学の指定校推薦で落ちてしまう人の例を見ていきましょう!
指定校推薦の詳しい流れはこちらの記事をご覧ください。
指定校推薦の校内選考で落ちる例
実のところ、校内選考の基準ははっきり決まっているわけではないんです。
高校によってははっきりと審査項目を発表しているところもありますが、学校によってまちまちなんですよね…。
でも大体「こんな感じの選考基準なんだろうな…」という目安は存在します。
ここでは私が塾講師をしている中で仕入れた、校内選考で落ちてしまう人の例をお伝えしていきますね。
ライバルと比べて評定平均が低い
指定校推薦の校内選考の基準はほとんどが評定平均です。
同じ大学・学部に指定校で行きたい生徒が複数名いた場合、評定平均の高い順に推薦がもらえる場合がほとんど。
ということは…オール5の人は無敵ということですね。
もし同じ大学・学部を目指すライバルがいて、その人よりも評定平均が低い場合…
その大学に指定校推薦で行くことはできません。
この場合、スライドで他の大学を出願させてくれるのか、それとも指定校推薦を受けるのを諦めないといけないのかは高校によりますね。
事前にアンケートをとって被らないように調整してくれる高校もあれば、1期・2期…と分けて募集を募り、指定校推薦者を決めていく高校もあります。
部活や委員会をやっていないという理由で落とされることも
このパターンは2つの理由が考えられます。
1つ目は、同じ大学を狙うライバルと評定平均が全く同じだった場合。
成績では優劣をつけられないので、部活や委員会などでの活動実績で評価する場合があります。
やはり何もやってないと不利ですね…
2つ目は、大学側や高校側の基準に「部活や委員会などの活動」がある場合。
この場合はいくら成績がよくても推薦を貰うことができません。
大学側から指定がある場合は、募集条件にきちんと記載してあります。
赤点を取ってしまう
今までの定期テストであまりに赤点が多い人は、校内選考で落ちる可能性が高いです。
指定校推薦というのは日ごろ頑張っている人へのご褒美のようなもの。
赤点を取る=真面目に授業を受けていないとみなされて、校内でのライバルの有無にかかわらず落とされる危険性がありますよ。
そもそもこういう人は大学が提示している推薦基準に足りていない人が多いですしね。
校内選考に合格してから赤点をとってしまった場合にも、校内選考合格が取り消される場合があります。
ってなってしまいますよ…。
日ごろの素行が悪い
日ごろの生活態度が悪いと、いくら成績がよくても推薦はもらえません!
たとえば…
- アルバイトが学校にバレた
- 頭髪や制服の気崩しなど、校則を破りまくっている
- いじめ
- 暴力・けんか
- 飲酒
- カンニング
- 警察沙汰になった
- 個人を特定できる状態でのSNSの炎上
などなど…
例を挙げていけばキリがないです。
指定校推薦は大学と高校の信頼関係の上で成り立っています。
このような生徒を推薦してしまうと、大学からの信頼も落ちてしまい、次年度からの指定校推薦枠が減らされる可能性すらあるのです。
指定校推薦本番で大学側に落とされる例
ここからは校内選考はクリアしたものの、推薦入試本番やその後に大学側から不合格を申し渡された例をご紹介します。
ここで紹介する人が、指定校推薦で落ちてしまう1%に当たる人たちです。
面接に遅刻・行かない
寝坊して面接に遅刻してしまったり、体調不良で面接に行けなくて落とされたということはよく耳にします。
さすがに面接に現れない人を合格させるほど優しくはないんですよね…
もし何か理由があって試験会場にたどりつけない場合は、早めに連絡して理由を話すようにしましょう!
どこまで対応してくれるかは分かりませんが、その時にできる最善の方法です。
面接で終始無言
緊張しているにしても面接をなめているにしても…
終始無言というのは落ちてしまう可能性が高いです…。
こういう場合は問答無用で落とされてしまいます。
もし緊張していたり体調不良でうまく話せないのであれば、その旨を面接官に伝えましょう。
面接官の先生もきっと分かってくれるはずです。
出願書類・検定料に不備がある
提出するべき書類が足りない・検定料が振り込まれていないなどの凡ミスで不合格になってしまうケースもあります。
これは注意すれば防げることです。
親や学校の先生と何重にもチェックするようにしましょう!
小論文が白紙・大幅に字数が足りない
面接で無言になってしまうのと同じで、小論文を白紙で出したり規定の字数に大幅に足りない場合は採点さえしてもらえません。
と思われること必至です。
明らかに舐めた態度をとる
その他にも、明らかに舐めている態度をとる人は確実に落とされます。
例えば…
- 腕や脚を組む
- あくび
- タメ口
- 制服のスカートが短い・気崩しなど
- 「他の大学がよかった」発言
- ろくに受験校のことを調べてもない
- 染髪
- ピアス
「さすがにここまではないでしょ!」
って思う人が大半かもしれません。
でも、制服や髪型で苦労する人が多いのは確かです。
スカートを短くしすぎてしまったせいで誰かから借りなくてはいけなくなったり、明るくなりすぎた髪の毛を黒染めしたり…
制服やバッグも使っているうちにボロボロになってしまいますからね。
誰かから借りて指定校推薦に挑むのであれば、早めに約束を取り付けたいところです。
大幅に定員オーバーした場合は不合格者も出る
実は、定員オーバーで不合格となってしまう場合もあるんです。
これがよく起こるのが学科別ではなく大きく学部で募集している大学。
例えば「文学部の定員が100名」という大学があるとします。
文学部の中にも「外国語学科」「史学科」「日本文学科」などの細かい分け方がなされているのですが…
さすがに100名全員が一つの学科を志望した場合、全員を合格させるのは難しいですよね。
珍しい事象ですが、覚えておいて損はないでしょう。
志望動機と学科の研究内容がマッチしていない
これもあまりない事例ですが、
ってほどに、志望動機にとんちんかんなことを書いてしまう場合があります。
訳あって第一志望じゃない学部を受ける場合も、相手方に欲しい人材だと思わせるようにしましょうね。
また、矛盾が生じないように先生に志望動機を添削してもらうことも大切!
「うちの大学じゃなくてもいいじゃん!」とも思わせないようにしたいですね。
指定校推薦で合格した後に落ちる例
せっかく指定校推薦で合格したのに、そのあとに不合格になってしまう場合もあるので注意!
どんな事例があるのかご紹介していきますね。
問題行動があった場合
先ほど挙げた飲酒やカンニング・警察沙汰などのように、明らかな問題行動があった場合はせっかく合格をしていても取り消される場合があります。
大学側も問題を起こすような生徒は入学させたくありません。
やっと受かったからとハメを外さないように!
高校を卒業できない
高校を卒業できないのであれば大学に入ることはできません。
留年や退学が決まってしまった場合、もうどうしようもありません…
また留年してしまうと、次年度の指定校推薦も受けられなくなってくる可能性があります。
合格が決まってからの定期テストはやる気が出ないのも分かりますが、しっかりこなしていきましょう。
手続き上のミス
これは実際に出会ったことのある事例なのですが…
入学金の払い込み期限を忘れていて、入学が取り消された例があります。
生徒も親も気づかなかったんだとか…。
その子は一般入試で受験し直し、見事合格することができました。
時間も塾代ももったいないことをしてしまいましたね…。
美術系・看護系・医療系は普通に落とされることがある
ここまで説明してきた通り、指定校推薦はめったなことがないと落ちません!
でも…
美術系・看護系・医療系は例外で、普通に面接で落とされることもあります。
美術系に関しては、合否を決める先生との相性もあるようです。
その人の作風や目指していきたいところなども加味されていると考えます。
また看護系・医療系については、人の命を預かる仕事だから。
面接でその人の人間性をよく見て、適正がないと思われる人は容赦なく落としています。
看護系・医療系は小論文も特殊ですしね。
このように学部によって例外は発生してしまうので、これらの学部を受ける人は指定校推薦だけに頼りすぎず、一般対策にも力を入れていきましょう。
もし指定校推薦で落ちたらどうすればいい?
もし指定校推薦で不合格となってしまったら、その後はどうしたらいいのでしょうか?
順番に詳しく解説していきます。
一般入試・センター利用入試で受験する大学を決める
指定校推薦の結果が出た時期だと、だいたい10月末~11月半ばという時期だと思います。
この時期だと、一般入試が始まる前に推薦入試やAO入試をやっている大学は少ないです。
ということは、一般入試・センター利用入試に向けて作戦を練り直さないといけません。
指定校推薦で落ちてしまった大学にもう一度チャレンジするのもOK。
しかし、その1校だけを狙っていくのはダメですよ。
きちんと滑り止め校についても考えないといけません。
受験する大学の目星がある程度ついたら、次は情報収集です。
情報収集の第1歩はパンフレットを集めることですね。
1校1校オープンキャンパスに行って資料を集めるのもいいのですが…この時期だとかなりの時間を消費してしまいます…。
入試まで時間がないので、
- パンフレットをとにかく沢山請求する
- その中でも気になった学校のオープンキャンパスに行く
- 願書をゲットする
この順番で行うのが一番効率がいいです。
一括で願書を無料請求できるサイトでおすすめなのが【スタディサプリ進路】。
短大や専門学校のパンフレットもまとめて請求できますし、時期や学校によっては願書も同封してくれる場合もあります。
国公立大学を除くほとんどの学校のパンフレットが無料なので、同系統の学部がある大学のパンフをできるだけ沢山請求するのがおすすめです。
パンフレットを読んでみてその大学が気に入ったら、オープンキャンパスで願書を受け取るもよし、個別に請求するもよし。
情報がないと何も始まりませんので、とにかく沢山の学校の資料を請求してくださいね。
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一般入試のスケジュールを作ろう
パンフレットを請求して、願書も一通りそろえたら、いよいよ一般入試に向けて具体的なスケジュールを立てていきましょう。
試験日は3日連続が限界と言われています。
4日以上連続しないように、上手に一般入試スケジュールを組んでいってください。
また、合格発表日と入学手続きの締め切りにも注意しましょう。
もし本命大学の合格発表の前に滑り止め校の入学手続きが来てしまったら、入学金を払い込むかどうかの選択に迫られることになります。
入学手続き後に入学を取り消した場合、前期の授業料は返ってくるものの入学金は返ってこない場合が多いです。
校内選考後に指定校推薦で落ちる確率は1%。情報を集めてしっかり対策しよう!
- 指定校推薦は校内選考をパスすれば、ほぼ落ちることはない。
- でもよほど舐めた態度をとると容赦なく落とされる
- 遅刻や書類不備、手続き忘れの内容に注意!
- 美術系・看護系・医療系は普通に落とされることもある
今回は指定校推薦に落ちる人についてご紹介していきました。
校内選考さえ通ってしまえば、落とされることはほぼありません。
でも落ちる人が1%でもいる以上、合格発表・高校卒業まで注意しましょう!
ただ、校内選考に通るかどうかが問題ですよね。
運の要素も大きいですし…。
自分よりも成績の良い友達に指定校推薦枠を取られてしまったとき、他に知っている大学がないのでは指定校推薦という可能性を潰してしまうことになります。
なので一つの大学にとらわれず、自分の視野を広げておくと良いですよ。
諦めて一般入試に向けて切り替えられるならいいですが、他にも良い学校があるって知らないだけだったらすごくもったいないです!
なので情報収集は幅広く行っておきましょう。
このようなパンフレットを一括請求ができるサイトを使って、気になる大学をどんどん取り寄せましょう!
その中でも特に気になった大学のオープンキャンパスに足を運ぶようにすると効率が良いですね。
大学受験は情報戦です。
後悔のないように、すぐに行動に移しましょう!
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