小論文を苦手としている人は多いですよね…。
作文は何度も書いた経験はあるかと思いますが、「小論文」と言われると身構えてしまう人も多いはず。
でも、手順を踏んで書いていけばしっかりとした小論文が作れるんですよ!
この記事では、小論文の書き方のコツをまとめました。
この手順通りに考えていけば、論理的で減点されない文章を作ることができるはずです!
小論文の書き方のコツと手順まとめ
では早速、小論文の書き方のコツをまとめていきます。
小論文作成のだいたいの流れは以下の通りになっています。
- 問われていることを的確につかむ
- 構成を考える
- 清書
- 最終チェック
この順番で、一つ一つのステップをしっかりとこなしていきましょう!
それぞれ詳しく解説していきますね。
Step.1 問われていることを的確につかむ
まずは問題文で聞かれていることをしっかりと把握します。
こう思う人もいるかもしれません。
でも、これは絶対に軽視してはいけませんよ。
問題文の指示に従わなかったことで減点になってしまう生徒は沢山見てきました…
例えばこんなものがあります。
【減点される例】
- 「自身の経験をもとに~」と言われているのに体験談がない
- 「具体的に」と言われているのに具体例がない
- 「○○の立場で」と言われているのに自分目線で書く
- 課題文の内容に触れずに自分の意見ばかり書く
- その他指示を無視する・不十分
こんな事で減点されることが多いです。
こういった減点を避けるためにも、構成メモ・清書・最終チェックのそれぞれの段階で逐一チェックしていきたいですね。
Step.2 構成を考える
次に、構成を考えていきます。
構成にもいくつかのステップがあるので、それぞれ解説していきますね。
① 構成メモを作ろう
いきなり原稿用紙に書き始めるのはNG!
まずはしっかりと構成メモを作ります。
この構成メモづくりを適当にやってしまってはダメ!
全体として文章のバランスが悪くなってしまったり、字数制限内で結論が書けなくなってしまいます。
構成メモにかける時間は試験時間の1/4~1/3くらい。
このくらいの時間を費やしても、いきなり清書するよりは圧倒的に効率が良いんですよ!
この構成メモの段階で、どういった展開で論理を展開していくのかも決めてしまいます。
基本の構成は「序論」→「本論」→「結論」。
序論と結論に自分が伝えたい主張を盛り込むのが一般的です。
詳しい構成メモの書き方についてこちらの記事で解説をしています。
② 構成メモを参考に、段落分けを考える
構成メモで大まかな流れを作ることができたら、次は段落分けを考えます。
と言っても、構成メモの段階で大体の流れができていますので、ここではどこで文頭の1マスを下げるかを考えればOK。
(これを形式段落と言います。)
意味の区切れ目を意識すれば難しくないはずです。
先ほど「序論」→「本論」→「結論」の順番で書こう!と言いましたが…
これをそのまま形式段落にしてしまってもOKですよ。
本論部分をもう少し細かく段落分けをして、4段落構成・5段落構成で作っていくのもOK。
このページで例を出して説明していますよ↓
って悩んでしまう人はこちら↓
③ 問題の趣旨に合っているか確認
「段落構成まで考えて、これで構成はOK!」と清書を書き出す前に…
今一度、問題で聞かれていることに答えられているかを確認しましょう!
ここで間違いに気づけばまだセーフです。
この後もいちいち確認していってくださいね!
Step.3 清書
パターン化されたフレーズを使って書いていく
構成メモが書けたら、それをしっかりとした文章に落とし込んでいきます。
細かい言葉遣いに悩む人も多いかと思いますが、これはある程度量を書いていくことで上達していきますよ。
小論文を書き慣れている人だったら、自分の中「よく使う・便利な言い回し」というのが存在しているはず。
こういった表現を少しづつ増やして、上手く使っていくことが大切です。
序論・結論の部分はぶっちゃけ、使う表現は決まっています。
こちらにまとめている表現を参考にしてみてくださいね。
原稿用紙の使い方
原稿用紙の使い方を間違えてしまうと、減点対象!
今までに習わなかった、数字や英語の書き方も確認しておきましょう。
語尾の注意
小論文では「ですます調」ではなく、「である調」を使います。
である調に慣れていない人も多いかもしれませんが、よく使う語尾を暗記してしまえば十分です。
文章のねじれに注意!
「文章のねじれ」という言葉を聞いたことはありますか?
文章のねじれとは、主語と動詞の関係が合わなくなってしまうことを指します。
例えばこんな感じ。
- 私の夢は、サッカー選手になって世界で活躍したいです。
- 私は毎朝、ランニングと新聞を読んでいます。
さすがに1つ目の例は書いている途中で気づくかもしれませんが、2つ目は以外とやってしまいがち。
特に文章が長くなるとこのようなねじれが起きてしまいやすいです。
- 私の夢は、サッカー選手になって世界で活躍することです。
- 私が毎朝、ランニングして新聞を読んでいます。
このように、きちんと「主語」と「動詞」の関係を意識していきましょうね。
こういったミスを起こさないためには、1文1文を短めにすることが有効ですよ。
引用に関する注意事項
課題文を読んでそれについての小論文を書く際は、課題文を引用することがありますよね。
「」のマークを使えば引用を行うことができますよ。
その他の細かいルールや引用する回数などについては下記の記事でまとめてあります。
小論文と作文って何が違う?
この違いを分かっておくだけでも減点が減らせるかもしれません。
ざっくり言うと、作文は口調も形式も全て自由なもの。
一方で小論文は、文字通り「小さい論文」。
- 客観的な視点で
- 事実に基づき
- 論理立てて
- 採点者に自信の考えを伝えていく
こういった事が大切になります。
「自分がどう感じた」というのは小論文には必要ないんです!
Step.4 最終チェック
と安心する前に、必ず最終チェックを行うようにしましょう。
具体的にどのようなことに注意して見直しして行けばいいのかを紹介していきますね。
誤字・脱字
誤字・脱字は間違いなく減点対象ですね。
注意していれば見つけられるので、必ず慎重に見ていきましょうね。
問題の趣旨に合っているのかどうか
これまでも何度か出てきましたが、「問題で聞かれたことに答えられているかどうか」はここでもしっかりチェック!
問題の指示を無視したり、問題の趣旨からズレたことを書いていると、大幅減点は避けられません。
全部書き終わってから書き直すと大変なので、要所要所で確認しましょうね。
より評価される小論文を作るためには?
小論文の作戦手順や注意事項が分かったところで…
次に、小論文でより高得点を狙うためのポイントを紹介していきますね。
正しく、的確な言葉を使う
正しい言葉遣いや表現は、小論文の基本!
間違った表現を使うと減点対象になってしまいます。
接続詞に注意しよう
「しかし」や「したがって」などの接続詞は、話の流れを決める大切な役割を担っています。
正しい接続詞を選ばないと自分の主張が伝わらないし、読みにくい文章になってしまいますよ。
語彙を増やそう
こんな人はもしかしたら、使える「語彙数」が少ないのかもしれません。
日頃から本を読んでいろんな言葉と出会っている人は、自分で文章を書くときもスラスラと書ける傾向にありますよ。
本はいろんな言葉と出会わせてくれます。
もちろん本以外でも、知らない言葉に出会ったらその意味を調べる癖をつけましょう!
書き言葉に慣れよう
小論文を書いていても、どうしても「話し言葉」になってしまう人も多いんですよね…。
こういった人は、「書き言葉」に慣れていません。
自分で「書き言葉」を書く練習をするのはもちろんのこと、「書き言葉」にたくさん触れることが大切!
本を読む習慣をつけるなどして、どんどん叩き込んでいってくださいね。
一番おすすめな方法は、新聞を読むこと!
全て書き言葉ですし、「である調」に近い文体で書いてあります。
それに最近のニュースに関することが小論文のテーマとなった時には、絶対にその知識があった方が有利!
情報収集としても新聞は役立ちますので、ぜひ活用してくださいね。
その分野に知識があると尚GOOD
先ほども書きましたが、小論文のテーマになっていることについて知識があれば深い文章を書くことができます。
それが最近のニュースだったり、環境問題だったり、世間の動きだったり…
知らないよりは知っている方が断然有利です。
こういう風に思うかもしれませんが…
よく出るテーマというものは存在するんですよ。
こちらの記事にまとめていますので、知らないことがあったら一通り調べてみることをおすすめします。
上から目線すぎ、自信なさすぎはNG
生徒の小論文を添削していてよく出会うのが、「上から目線すぎ」・「自身なさすぎ」です。
「である調」で書くことは、偉そうに書くということではありません。
あくまでも客観的な目線で書かなくてはいけないんです。
そして「自信なさすぎ」な人に多いのが、「思われる」「感じられる」「考えられる」を多用してしまうこと。
基本的にはこれらの表現は避けて、言い切りの形で書くことがポイントです。
自分の意見をアウトプットする練習をしよう
「小論文が苦手」という人の中には、こんなケースもあります。
- 自分の意見が分からない
- 自分の考えを言語化できない
このように自分の考えを伝えるのが苦手だと、なかなか小論文を書くことは難しいですよね…。
これも日頃から自分の考えをアウトプットするように心がけることが大切です。
日記やメモ帳などでも良いですよ。
とにかく考えを言葉にしていきましょう!
できれば書き言葉で、論理立てて書くとGOOD!
小論文の独学ってアリ?
小論文の独学は一部ならばOKと考えています。
例えば小論文の基本的な書き方や構成の仕方などを学ぶのは本やネットで十分です。
わざわざ人に教わることはないですよね。
しかし、小論文は知識を詰め込むだけではダメですよね。
自分で書いてみて、しっかり添削をしてもらわないといけません。
最初からすべてにお金をかけようとすると大変なことになってしまいます。
必要に応じてプロに頼るようにしましょう。
対策はいつから始める?
小論文対策を始める時期は、人によってかなり異なります。
その人がもともと持っている文章力や、小論文試験の重要度などのいろいろな要素を考えないといけません。
しかし一般的には、《小論文試験の数か月前》から対策を始めることが多いようです。
しかしもっと前から勉強している人も…
詳しくはこちらにまとめています↓
採点基準を知れば減点されない小論文を作ることができる
小論文初心者さんに心がけてほしいのは、「加点される文章」を書くことよりも「減点されない文章」を書くこと!
というのは、減点要素は誰の目から見ても明らかだからです。
減点要素はどの学校や企業の試験でもだいたい同じ。
この減点要素を避けていくことで、自然と全体の点数は上がっていきます。
こちらの記事ではよくある小論文の採点基準と、加点要素・減点要素について詳しくまとめています。
ぜひ参考にしてみてくださいね↓
また文字数はかなり大切!
文字数がちょっと多かったり少なかったりするだけで、大幅減点になってしまう場合もあります。
受験する学校の出題形式を確認しよう
実は小論文には、いろんな形式が存在するんです。
テーマに沿って自分の考えを書いていくだけのオーソドックスなものや、
課題文やデータが与えられているものなど…。
分類は↑の記事でまとめていますので、自分が受験する学校はどのタイプに当てはまるのかを確認しておきましょう。
過去問に合わせた練習をすれば、より効果は出やすいですからね。
また、小論文とセットで《要約》が課される場合がありますよね。
要約をマスターするには時間がかかりますので、早めに練習に取り掛かりましょう。
毎回必ず先生に添削してもらおう!
小論文の練習をしたら、「ハイ終わり」ってするのはとてももったいない!
必ず学校や塾の先生に添削をしてもらいましょう!
はじめは赤ペンだらけで帰ってきてしまうかもしれません。
でも、添削を繰り返していくうちに少しずつ上達していきますよ!
自分の文章のダメなところは自分では気づくことはできません。
添削してもらうことが上達への近道です!
小論文の書き方のコツを掴んで、合格を目指そう!
《構成を考える》
- 構成メモを作る
- 構成メモを参考に、段落分けを考える
- 問題の趣旨に合っているか確認
《清書》
- パターン化されたフレーズを使って書いていく
- 原稿用紙の使い方
- 語尾の注意
- 文章のねじれに注意!
- 引用のしかた
- 小論文と作文って何が違う?
《最終チェック》
- 誤字・脱字をチェック
- 問題の趣旨に合っているのかどうかチェック
※問題に対しての答えを書けているかは逐一確認すること!
- 小論文は手順を守ればスムーズに書ける!
- 構成メモにかける時間は試験全体の1/4~1/3
- パターン化された表現を使うと楽
- 書き言葉に慣れていないと難しく感じてしまうかも…
- まずは減点されない小論文を目指していこう
- 先生に添削してもらうことが上達への近道!
今回は小論文の書き方のコツについてまとめていきました。
かなり長くなってしまいましたが、ここに書いてあることを全てマスターすれば高得点が取れるはずです!
一度に全て直していくことは不可能なので、1つ1つ課題を解決していきましょうね。