親や先生の言うこと、そしてネットには「浪人なんて無駄」なんて声も多くありますよね。
しかし一方で「浪人した方が良い」「浪人してよかった」なんて真逆の声もあります。
これでは自分の選択に自信を持てなくなるのも当然です。
私としては、一人一人状況が違うので一概にどちらが正しいのかを論じることなんてできないと考えています。
その人の学力と志望校までの距離、どういった理由で浪人しようとしているのか、将来のビジョン…
これらを総合的に考えて個別にベストな結論を導くべきです。
ということで今回は、浪人は意味がないのか?ということをじっくり考えていきます。
「浪人なんて無駄」「浪人するべき」という両方の意見を深掘りしていくことで、自分にとって最善な選択をする手助けとなるのではないでしょうか。
動画ではちょっと違った切り口からお話ししています。
こちらも併せてどうぞ。
浪人は無駄であるという人の意見
でははじめに、「浪人は無駄である」と考えている人はどういう理由で言っているのかを見ていきましょう。
社会人になると大学名では評価されない
社会人になってからは学歴よりも能力で判断されます。
大学名で多少箔がつくことはあっても、それだけで評価されることはまずありません。
しかし新卒採用などの入口の部分では大学名が重要視される場面もありますので、これについては 後述 しますね。
浪人に失敗した時のリスク
もし浪人をしたとしてもその年度の受験で失敗してしまったら…
現役で受験に失敗してしまうよりも傷が大きくなることは言うまでもありません。
しかも現役時に合格できた大学にすら受からない可能性だってあります。
という事態を避けるためのアドバイスかもしれませんね。
金銭面で割に合わない?
浪人をする場合、予備校だけで年間100万円程度かかると言われています。
しかしこれだけではありません。
浪人中の生活費や教材代、模試代なんかも必要です。
そして定年まで働くと考えた場合、実際に働ける期間が短くなってしまうわけですから、単純に考えて浪人した年数だけ生涯年収が下がってしまう可能性もあります。
本来やりたかったことができない一年間
浪人している1年間は本来やりたかった勉強はできません。
と考える人もいます。
結果を受け入れることも大切
もしかしたら結果を受け入れられず、ゲームをコンティニューするような感覚で浪人しようとしている人もいるかもしれません。
そういう人を諭すように浪人に反対する大人もいるでしょう。
という心配から浪人を反対している可能性もあります。
その学校でないとできないことはほとんどない
文系学部を受験する人は特に言われがちなのが、
「その学校でないとできない勉強はほぼない」
ということ。
実際、同じ名前の学部や学科であればその内容を勉強できる場合が多いです。
「同じ分野を勉強できるならその大学にこだわらなくても良いのでは?」
という気持ちから浪人に反対するパターンもあります。
単に自分の過去と比較して反対している場合も
私としてはこちらが一番やっかいだと思うのですが…
その人の事情は全く気にせずに、単に自分の感情や経験から浪人を反対する人もいます。
このように自身の価値観を押し付けて反対する大人もいるんですよね。
言うまでもありませんが、浪人に至る理由は人それぞれ。
こういった意見は参考程度にとどめておくのが良いでしょう。
浪人には大いに意味があるという人の意見
では次に、「浪人をした方が良い」という人の意見を深掘りしていきましょう。
ネームバリューのある大学を狙える
先ほどは社会に出てから大学名ではあまり評価されないとも書きましたが…
しかし一方で大学名で評価が変わる場面もあります。
新卒採用において出身大学での足切りラインを設けている企業もありますからね。
そして官僚になりたい場合なんかも一流大学を卒業している必要があります。
このように入口の部分で大学名が重要視されることも多いため、浪人する価値は十分にあると考える人も多いです。
学力が伸びる(余地がある)
もちろん浪人中の頑張り次第ではありますが、時間をかけて勉強すれば十分に学力が伸びる余地があります。
という考えですね。
後悔をせずに済む
もし第一志望校に再チャレンジするのを諦めたら、
「もう一度受けたら受かっていたかも…」
「失敗してもいいからもう一度チャレンジすればよかった…」
このような後悔が一生付きまとうかもしれません。
挑戦してダメだったら仕方ない、挑戦しないほうがもったいないという考えです。
本当にやりたいことを目指すことができる
これは夢や目標によるかもしれませんが…
特定の学部・特定の大学に入らないと自分のやりたいことができない場合もあります。
医学部に受からなければお医者さんになれないように、
また大学によって研究できる内容に差があるように…
第一志望校に合格しないと夢が叶わない場合も多いです。
そういう人は浪人を諦めるとその夢自体を諦めることになってしまいますからね。
浪人を通じて成長できる
浪人を成功させられればもちろん志望校合格という素晴らしい結果が手に入ります。
しかし浪人で得られるものはそれだけではなくて、
- 自分自身や今後の人生に強制的に向き合える時間
- 高い目標に挑戦する力
- 計画を立てて実行する力
- 自分を律する力
など…
たとえ受験に失敗してしまったとしても得られるものは多いです。
結果…他人には浪人に意味があるかどうかなんて分からない
ここまで「浪人なんて無駄」「浪人するべき」といった相反する2つの意見について見ていきました。
それぞれの経験や立場からいろいろな考えがあることが分かりますね。
つまり、浪人に意味があるかどうかなんて他人には分かりません。
その浪人に意味があるのか、意味を持たせられるのか…
これらはあなたの状況やこれからの頑張り次第ということです。
基本的には「浪人なんて意味ない」という第三者の意見は基本的に無視してもいいのではないかと思います。
しかしあなたのことを良く知る人からのアドバイスは一度素直に受け入れたほうが良いですよ。
これは「素直に浪人を諦めろ」という意味ではありません。
今までの勉強との向き合い方を知っている人の、あなたの性格を分かった上でのアドバイスかもしれません。
そのような実のあるアドバイスには反発するのではなく、一度その意見を素直に受け止めて、その上で再考するした方がいいです。
そして ”そもそも経済的に浪人をすることが可能かどうか” という点も大切ですからね。
これについては親御さんとしっかり話し合いましょう。
浪人のしかたや浪人以外の道も含めて、その問題をクリアできるかどうかを考えましょう。
再チャレンジのしかたには浪人以外にもいくつかありますからね。
周りの人に浪人を賛成・反対されたら「この人はなぜそんなことを言うんだろう?」と一度考えてみるといいです。
本当にあなたのためを想っての言葉?
それともただの価値観の押し付け?
もしあなたの状況に当てはまらない頓珍漢なことで賛成/反対しているのであれば無視で構いません。
しかしそれが自分の状況を考えた客観的な意見だった場合、浪人というもの、そして自分自身とよく向き合って考える必要があります。
ただ勝算のない浪人は自殺行為です。
感情的なことは一度置いておいて、
- 浪人するメリット/デメリット
- 合格可能性はどれくらいあるのか
- 勉強との向き合い方を改善できるのか
- 経済面など障壁となるものは解消できるのか
- どうやって勉強していくのか(予備校通い / 宅浪)
- 万が一失敗してしまったらどうするのか
など、現実的に考える必要があります。
自分と向き合ってじっくり考え、そして親御さんと双方が納得できるまで話し合ってください。
浪人が無駄になるかどうかは状況と努力次第
最後に繰り返しとなりますが、浪人に意味があるかどうか、また意味を持たせられるかどうかはすべてあなた次第ということを強調したいです。
他人はどこまで行っても他人です。
あなたの人生に責任を持ってくれるわけではありません。
他人のアドバイスは無視した方が良いもの、聞き入れたほうがいいものなど珠玉混合。
この記事を読んでくださっている方にはこれらの判断をきちんと行ってほしいのです。
そして自分と反対の意見の中でも納得感のあるものは切り捨てず、そういう考え方もあると心の片隅に置いておいてください。
それは「絶対に浪人を成功させて見返してやるぞ」というやる気につながったり、「確かに自分にはこういう弱点がある」と気付いて改善させていくこともできます。
様々な意見とその背景について考え、自分にとってベストな答えを導いてください。
そして浪人という道を選ぶのであれば今すぐに行動し、自分自身でその浪人に意味を持たせてください。