最も有名なのは、一次試験(筆記)に合格した人が二次試験(面接)に進むタイプの《従来型英検》でしょうか。
それ以外の英検についてはあまり知られていませんが、実は今、受験のしかたも広がり便利になっているんです。
そんなわけで今回は英検の種類とそれぞれの違いを詳しくご紹介していきます。
学生・社会人など、立場ごとにどの種類の英検を受ければいいのかも解説していきますね。
英検の種類にはどんなものがある?
英検の種類は大きく、以下の5種類があります。
- 英検【従来型】
- 英検S-CBT
- 英検S-Interview
- 英検Jr.
- 英検IBA
それぞれ詳しく解説していきますね。
英検【従来型】
こちらは言わずと知れた一番有名な英検です。
5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級の7つの級があり、希望の級の試験に申し込む形となります。
また、3級以上は二次試験(面接)があり、一次試験(筆記)に合格した人だけが受けることができます。
一次試験の筆記試験はペーパーテストで行い、ライティング以外はマークシートで解答します。
二次試験の面接は、面接官と1:1(1級のみ面接官2人と受験生1人)で行われます。
この面接を苦手としている人も多いので、従来型英検では面接対策こそが重要であるとも言えます。
英検S-CBT
英検S-CBTは最近できた新しい英検の受験方法です。
問題の構成・難易度・資格としての価値ともに従来型の英検と変わりません。
従来型英検と違うのは「受験のしかた」のみ。
従来型英検はペーパーテストなのに対し、英検S-CBTは専用会場でパソコンを操作して受験します。
また従来型の英検は一次試験(筆記)に合格した人だけが二次試験(面接)に進みますが、英検S-CBTはすべてのテストを1日で行います。
二次試験にあたるスピーキングテストは吹き込み式で行います。
面接官と直接会話するのではなく、自分の発言が録音され、それを後から採点される形になります。
面接官と1:1で話すのは苦手…って人にとっては有利かもしれませんね。
さらに英検S-CBTは毎週末に試験が実施されているという点も大きな魅力です。
まだまだ受験会場が少ないのが現状ですが、今後会場が増えていけばかなり便利な受験のしかたになります。
英検S-CBTについて詳しくは別のページでまとめていますので、併せてご覧ください。
英検S-Interview
英検S-Interviewは、英検S-CBTの受験が難しい人が選べる受験方式。
合理的配慮が必要な人のみが選択できます。
一次試験にあたるリーディング・リスニング・ライティングはペーパーテスト、二次試験にあたるスピーキングテストは面接官と対面で行います。
ここまでは《従来型英検》と変わりませんね。
英検S-Interviewと従来型英検との違いは、一次試験の合否に関わらず二次試験を受験できる点です。
また英検S-Interviewと従来型英検は同じ日に試験があるため、併願できません。
英検S-Interviewの申し込みには障がいの状況を証明できる書類の画像提出が必要です。
詳しい要件はこちらでご確認ください。
英検Jr.
英検Jr.は3歳から受けられる英検です。
「児童英検」とも呼ばれていますね。
従来型英検はマークシート、英検S-CBTは専用会場でパソコンを使って解答しますので、小さい子一人での受験は現実的ではありません。
こちらの英検Jr.は小さい子でも簡単にテストを受けられる設計になっています。
英検Jr.ではペーパーテストとオンライン版テストが用意されていて、
ペーパーテストの方は答えに〇をつけるだけ、
オンライン版のテストは正解をクリックするだけです。
オンライン版は自宅で受験することができますので、保護者と離れて一人でテストを受けられない子にも安心ですね。
英検Jr.の大きな特徴は以下の通り。
- 最適年齢は3歳~中学生
- 合格/不合格ではなく正答率が出る
- リスニング中心のテスト
- ブロンズ・シルバー・ゴールドの3つのレベルがある
詳しくはこちらの記事で解説をしています。
また英検Jr.のレベル感については以下の記事にまとめています。
英検IBA
あまり聞き慣れないですが、英検IBAというものも存在します。
ただしこちらは、30名または40名以上の団体限定。
個人では申し込むことができないことに注意しましょう。
こちらは級を選んで合格を目指すものではなく、全員共通のテストを解くことで自分の実力を知るためのテストです。
結果帳票で、「あなたのレベルはこのくらい」、「英検にチャレンジするなら〇級から」などのアドバイスがもらえます。
英検IBAのスコア自体を履歴書に書いたり、入試に利用したりすることはほとんどありません。
就職や入試に使いたい場合は、従来型英検・英検S-CBTを利用しましょう。
学生・社会人が受けるべき英検の種類はどれ?
ここでは、どんな人に・どんな英検が合っているのかを解説していきます。
未就学児~小学生はまず英検Jr.から
英語を習いたての子はまず英検Jr.から始めるのがオススメです。
英検Jr.はいわゆる「お勉強」というイメージはなく、理解やコミュニケーションを重視したテストです。
合格/不合格で判定されないこともモチベーションの維持に繋がるでしょう。
英検Jr.のゴールドレベルである程度得点できるようになり、英文法についての理解も進んで、そして一人でテストを受けられるようになったら《従来型英検》に移行すると良いです。
中学生からは従来型英検をベースに
中学生以上は年3回実施する《従来型英検》をベースに受けることをオススメします。
学校を通じて団体受験(準会場受験)に申し込めば通っている学校で一次試験が受けられますし、多少の割引もあります。
対策講座を開いてくれる学校もあるので、ぜひこれを活用したいところです。
受験生は場合により英検S-CBTも併用
しかし、従来型英検は年3回しか実施されないのがデメリットです。
「受験までにどうしても〇級に受かっていないといけない」という場合もあるかと思います。
このような場合、毎週末に試験が実施されている《英検S-CBT》を必要に応じて受けるのも良いでしょう。
同じ級を受けるには回数の制約があるものの、受験チャンスは大きく広がります。
社会人は英検S-CBTがおすすめ
忙しい社会人は1日でテストが終わる《英検S-CBT》がオススメです。
パソコンでの受験というと少し不安かもしれませんが、操作自体は難しくありません。
ライティングについては《筆記型》か《タイピング型》かを選べるので、操作に不安がある人は手書きで解答する《筆記型》を選択しましょう。
もちろんペーパーテストや面接の方がやりやすい人、スケジュールに余裕がある人は《従来型英検》を選んでもOKです。
まとめ:自分に合った英検の種類を選ぼう!
- 英検の種類は《従来型英検》、《英検S-CBT》、《英検S-Interview》《英検Jr.》、《英検IBA》の5つ。
- 《従来型英検》と《英検S-CBT》の違いは受験のしかたのみ
- 未就学児~小学生は《英検Jr.》から始めよう
- 学生は《従来型英検》をベースに、必要に応じて《英検S-CBT》
- 社会人にオススメなのは《英検S-CBT》
今回は英検の種類にはどんなものがあるのかについてまとめていきました。
あなたの年齢や目的に応じてオススメは変わってきますが、やはりメジャーなのは《従来型英検》と《英検S-CBT》でしょう。
これらは資格としての価値は同じなので、好みで受験方法を選べば良いです。
英検で優遇のある学校を受験する人や、昇進のために英検を取得しないといけない人には、新しくできた《英検S-CBT》は魅力的な選択肢です。
計画的に受験していきたいところですね。
また多くの日本人にとっては、二次試験にあたるスピーキングテストが足かせになってしまう場合が多いです。
学校でもあまり練習できないところなので、ここは重点的に対策をしてきましょう。
いずれの英検についてもしっかりと準備をして、ぜひ合格を掴んでください!